遺跡の中で横たわる涅槃仏と仏塔(ワット・ロカヤ・スター)
417年にわたり王朝の首都として君臨したタイの古都。3辺をチャオプラヤー川とその支流、パーサック川とロップリー川が囲み、一辺は運河によって守られた中州の島に存在しています。かつては、「水の都」と称されていました。アユタヤを観光すれば、自ずとアユタヤ王朝の鼓動が聞こえてくるはず。それでは、タイの世界遺産「古代都市アユタヤ」をめぐってみましょう。
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タイで一番人気の世界遺産!古代都市アユタヤとは?
バンコクから北へ約80kmにある古代都市アユタヤは、チャオプラヤー川の恩恵を受け繁栄した世界遺産の都市です。東西に約7km、南北に約4kmある意外に広いエリアには、東南アジア最大の都市としての威厳を見せる遺跡が点在しています。
苔むした仏塔たちは、かつて国際貿易都市として栄えていたことを証明しており、多彩な文化が入り混じる独自の様相を帯びています。大航海時代にこの地を訪れたヨーロッパ人たちは、黄金に輝く寺院群の素晴らしさに、驚嘆したとか。「ルネサンス文化がイタリアで花開いたような光景だったのでは?」と、連想させる雰囲気が漂っています。
『古代都市アユタヤ』は、1991年に世界遺産に登録されました。
登録基準は、文化遺産(ⅲ)です。
アクセス
タイの首都バンコクからは、電車やバスなどアクセスは充実しています。
バンコクのフアランボーン駅から1日11便の普通や急行、特級列車が走っています。所要時間は1時間15分~1時間30分です。アユタヤからの最終便は、19時ごろです。
バスでは、バンコクの北バスターミナルから、20~30分間隔で運行しています。所要時間は、1時間30分~2時間程度です。アユタヤからの最終便は、18時30分ごろです。
バンコクからチャオプラヤー川を運航する、リバーサンクルーズ号に乗って、アユタヤに向かうのもおすすめです。デッキに出てタイの風を感じながら、3時間30分の船旅を楽しむのも醍醐味です。
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アユタヤの歴史
アユタヤ朝が興ったのは、1351年のこと。その首都となったのが、このアユタヤです。アユタヤ王朝は、当時脅威となっていたスコタイや周りの国々を吸収しました。チャオプラヤー川の水運を利用して、中国や日本、ペルシアやヨーロッパの国々と交易をするようになり、アユタヤに繁栄をもたらしました。これによりアユタヤは、東南アジア最大の国際交易都市となったのです。
アユタヤ王朝を支えた33人の王たちは、仏教を厚く信仰し壮麗な寺院や宮殿を建てました。最盛期には、100もの門や400もの寺院が建設されていたといわれています。この雅なひとときは、一瞬にして閉じられてしまいます。1767年に、ビルマ軍が進行してきたのです。豪華絢爛な建物からは、お宝や装飾さていた金までも剥ぎ取り持ち去りました。400年もの繁栄を語る建物は破壊され、建物は廃墟となってしまったのです。
ワット・プラ・マハタートの仏像は首が切り落された後、頭は持ち去られ、座っている仏像には頭がありません。途中置き去りにされたと伝わる、仏頭が木に絡んだ姿は有名です。
古代都市アユタヤのみどころ
中洲内を観光するなら徒歩で。外を回るなら、駅やバスターミナル、市場などで待機する、トゥクトゥクかレンタサイクルで回るのがおすすめです。時間に余裕があるなら、ぜひアユタヤ名物の「エレファントライド」に挑戦するのも楽しいかも。
水景が美しいバイパイン宮殿
現在は王族の別荘として使われている、「バイパイン宮殿」は、王の夏の離宮として建てられました。中国様式やルネサンス建築の建物が点在する、美しい庭園も有名です。
1592年に建造された「ワット・ヤイ・チャン・モンコン」はアユタヤ遺跡の中心的な存在です。本尊にあたる黄金の釈迦仏や巨大な涅槃物は必見です。スリランカ様式の大仏塔は途中まで登れ、遺跡を一望できます。回廊にずらりと並ぶ仏像は圧巻です。
菩提樹に埋もれた仏像の頭で有名な「ワット・マハタート」やアユタヤ王朝初の王宮があった「ワット・プラ・シー・サンペット」も見所が多くおすすめです。
アユタヤ歴史公園内のワット・プラシーサンペット
まとめ
破壊された寺院や仏像からは、どれだけ壮大な王朝がここにあったかを感じられます。昼間は象の背中の上から遺跡をみて、夜はライトアップされた遺跡たちを見学する歴史観光は、心に残る旅を楽しめるはず。
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