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やっとの思いが通じた!奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島

東京オリンピック開催中、世界遺産でも歓喜の声が沸きました!2021年7月26日に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が、世界自然遺産として日本で5番目の登録となりました。一度、登録を逃しているだけに、嬉しさも倍増です。今回は、日本の新世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」をご紹介します。

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登録までの道のり

日本が推薦する「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が、第44回世界遺産委員会拡大会合において「国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性保全上重要な地域」として、世界自然遺産に登録されました。日本世界遺産で24番目、自然遺産としては2011年に登録された「小笠原諸島」以来10年ぶり5件目の登録となります。

実は世界自然遺産の候補地として、選定されたのは2003年です。菅総理大臣がメッセージで触れられた通り、18年越しの登録です。候補地を4つに絞り2013年から本格的に始動。国立公園の拡張など、世界遺産登録にむけて様々な試みが行われました。

2016年にユネスコ世界遺産センターへ暫定リストを、翌年には推薦書を提出しました。しかし、2018年5月に、米軍北部訓練場跡地が編入されず、推薦区域が「飛び地」だったこと、動植物の絶滅が危惧されるなどが課題となり、登録延期勧告を受けました。

延期勧告を受けて、「生物多様性の高い生態系があり、絶滅危惧種の生息地として重要な場所」を主として、2020年の登録を目指し再挑戦しました。しかし、コロナ禍で再度延期になり、2021年7月26日に、やっと念願が叶ったのです。

玉城知事は、「希少な固有種が数多く生息・生育する自然環境が非常に豊かな地域であり、登録基準である『生物多様性』に関する顕著な普遍的価値が認められ本当に喜ばしいことだ。」と述べています。

世界自然遺産には、「自然景観」「地形・地質」「生態系」「生物多様性」の4つのカテゴリーがあり、「生物多様性」に焦点を絞ったことが登録へ繋がった最大の勝因でしょう。

「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」のみどころ

太古の地殻変動によって、ユーラシア大陸から分断孤立した琉球列島。ここには、大昔に大陸で誕生した動植物が、絶滅しないまま生息しています。マングローブの森など豊かな自然があり、イリオモテヤマネコやヤンバルクイナなど絶滅の恐れがある希少種が生息し、独自の生態系が残っています。それでは、「東洋のガラパゴス」と称されるほど美しい自然が残る、この世界遺産の魅力をたっぷりご紹介しましょう。

奄美大島(鹿児島)


スダジイやイジュ、タブの木などで覆われた、まるでジュラシック・ワールドの映画の世界に迷い込んだかのような亜熱帯照葉樹林とサンゴ礁の海、希少な固有種が数多く生息する、奄美群島の主島です。全長1.6km、広さ71haに及ぶ島最北限のマングローブの林では、カヌーで水辺のジャングルを進む原生林ツアーを開催しています。


古代のままの姿を残す森の中には、特別天然記念物のアマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、オットンガエル、鳥類のルリカケス、オオストンオオアカゲラ、オオトラッグミなど奄美大島だけに生息する希少価値の高い固有種が生息しています。


他にも、黄緑色の体に斑点模様が入った日本で一番美しいといわれる、「アマミイシカワガエル」という固有種がいます。夜行性なのでなかなかお目にかかれないかもしれませんが、昼間なら岩の割れ目などで眠っている姿を確認できるかも。森の中にはパワースポットもあるので、体験ツアーで参加するのが◎。ナイトツアーに参加すれば、活動的な夜の固有種と出会えること請け合いですよ。
アクセス:東京(羽田)から奄美空港まで約2時間15分。鹿児島空港からは約1時間。

徳之島(鹿児島)


徳之島は青い海と美しいビーチが魅力の、鹿児島県奄美地方の離島です。徳之島だけに生息する固有種のオビトカゲモドキやトクノシマトゲネズミ、奄美大島と徳之島にしかいないオリイジネズミは、島での発見すらも稀で未だに生態系が不明なんです。


山岳地帯には、スダジイやオキナワウラジロガシなど、常緑広葉樹の原生林が広がっています。巨大なソテツ並木が約200mも連なる、金見崎ソテツトンネルも見る価値ありです。このトンネルを抜けた先にある展望台からは、奄美大島まで望める絶景スポットです。


時期が合えば、5000年以上の歴史を誇る闘牛大会に参加して、島の文化に触れるのも乙な旅ではないでしょうか?
アクセス:鹿児島空港から徳之島空港まで約1時間5分。

沖縄東北部(沖縄・やんばる地区)


海も空も真っ青で、陸地には緑が広がるやんばる。この地区の約80%が森林で、亜熱帯雨林に覆われています。「沖縄本土?」と疑いたくなるほどの、美しく豊かな自然が広がっているんです。
沖縄の方言で、自然が多く残る場所を「やんばる(山原)」と呼び、大宜味村、東村、国頭村のエリアの総称となっています。


先ずは沖縄本島の最北端にある辺戸岬から、東シナ海を見渡すのがおすすめです。断崖絶壁と白波、沖縄ならではの青い海のコントラストは最高ですよ!まるで海外に来ているみたいと人気の、オクマビーチも◎。


貴重な動植物の宝庫大石林山では、奇岩が立ち並ぶ圧巻のトレッキングを楽しめます。最高峰の与那覇岳は、年間平均3,000mmもの降雨量があり、豊かな森が広がっています。ここには日本唯一の飛べない鳥として知られるヤンバルクイナを始め、ノグチゲラやオキナワトゲネズミなどの希少生物が生息しています。
アクセス:羽田空港から、那覇空港まで約2時間40分。

西表島(沖縄)


西表島は、八重山諸島の中でも、個性的な島とされています。島の90%が亜熱帯の原生林に覆われた大自然の宝庫で、日本最大のマングローブの森が広がっています。天然記念物のイリオモテヤマネコなど貴重な動植物が生息し、手つかずの自然を満喫できるツアーの充実度も◎。


全長17.5kmの両岸に約300haものマングローブの林が広がる仲間川の遊覧観光では、ジャングルのような景色を見られます。運がよければ、日本最大のサキシマスオウノキを見学できるとか。星の形をした砂で人気の「星砂の浜」に行って、美しい星砂を拾うのも西表島ならではの楽しみ方ですね。
アクセス:那覇空港から石垣空港まで約1時間。石垣島から高速船で約40分。

まとめ


この地域の最大の魅力は、美しい大自然とここに来ないとみられない個性的な生態系でしょう。日本本土で残念ながら絶滅してしまった生き物たちに、会いに出かけてみてはいかがでしょう。コロナが終息したら、観光人気になること間違いなしですね!

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