スペイン

ここに来れば全ての罪が許される!スペインの世界遺産「サンティアゴ・デ・ コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道」

聖ヤコブの墓が発見され、聖堂が建てられた11世紀以降に、ヨーロッパ全土から多くの巡礼者が訪れるようになりました。その後、巡礼路が作られ街ができ、その後教会が建てられたことで聖地として人気を博した地です。今回は、スペインの世界遺産『サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道』をご紹介します。

 

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サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路とは

スペイン北西部のガリシア地方の山で見つかった「聖ヤコブ」の墓。キリストの十二使徒のひとり聖ヤコブは、エルサレムで首を切られ殉教した後、遺体は弟子たちによってガリシアまで運ばれ、この地に埋葬されたとされています。

 

ちょっとロマンティックな伝説が残っており、813年に星の光に導かれた羊飼いが、埋葬された聖ヤコブの墓を発見しました。この墓の上に小さな教会が建てられ人々が集まり、町ができました。イスラムの侵入で小さな教会は破壊され、すっかりヤコブの墓のことは忘れ去られたのです。

 

11~13世紀に僧正ディエゴ・ペラーエスによって、スペイン最高のロマネスク式の大聖堂が建てられました。12世紀の初めにほぼ完成しており、サンティアゴにいけば「全ての罪が許される」と最盛期には50万人が訪れるほどの人気だったとか。その後も、増改築が繰り返されています。

 

星が聖ヤコブの墓を導いたという伝説から、町は「星の原の(サンティアゴ)ヤコブ(コンポステーラ)」と呼ばれました。現在の調査では、大聖堂の下にローマ時代の墓があることが確認されています。

 

『サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道』は、1993年に世界遺産に登録されています。

 

登録基準は、文化遺産 (ⅱ) (ⅳ) (ⅵ)です。
2015年には、『サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道』と、名称変更が行われています。

 

アクセス

マドリッドのチャマルティン駅からサンティアゴ・デ・コンポステーラ駅まで、列車で約5~7時間。

 

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サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路の仕方

ヨーロッパの果てといっても過言ではない、「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」までの巡礼路はたくさんあります。世界遺産には、フランス各地からピレネー山脈を経由する4つのルートが登録されています。パリからの「トウールの道」、ヴェズレーからの「リモージュの道」、ル・ビュイからの「ル・ビュイの道」、アルルからの「トゥールーズの道」の4つ。

 

巡礼路は、公共交通機関やレンタカー、徒歩や自転車など、思い思いのスタイルで巡礼をしています。ピレネー山脈からサンティアゴまでで約800kmあり、徒歩での巡礼は30~40日ほど。

 

クレデンシアル(巡礼手帳)を入手してから出発します。ルートの途中にある教会や宿、カフェでスタンプをもらい、それを最終地点の大聖堂前で見せれば巡礼証明書を発行してくれます。証明書の発行には、徒歩で約100km、自転車で200km以上が条件となっています。サンティアゴまで歩く巡礼者たちは、聖ヤコブを象徴するホタテ貝を身につけています。

 

巡礼手帳の入手先
http://camino-de-santiago.jp/credential/index.html
日本での入手方法
http://camino-de-santiago.jp/credential/get.html

 

日本の熊野古道とサンティアゴ巡礼路の共通巡礼手帳もあります。この両方を歩くと、二つの巡礼者としての、達成者スタンプを押印してもらえます。

 

巡礼路のみどころ

一番人気のある巡礼路は、「フランスの道」。イバニェタ峠かソンポルト峠を通って、ピレネー山脈を越え、プエンテ、アストルガ、パラス・ド・レイを通るコース。

 

途中ナバラ王妃によって11世紀に作られた王妃の橋や11世紀に修道士ドミニクスによって作られた石畳の道、聖ドミンゴ大聖堂は必見です。また、巡礼者たちを見守ってきた「鉄の十字架」は、標高1530mのイラゴ峠に設置されています。

 

ゴールから約114kmに位置するサリアは、交通の便が良く緑多い地で、ここから巡礼を始める人も多いようです。また、サンティアゴの町から約5kmにある「歓喜の丘」は、巡礼者たちが初めてサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂を目にする地です。大聖堂に到着した後は、巡礼者たちがお互いを祝福しています。

 

大聖堂の魅力

これまで多くの人々を迎えてきたサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂もみどころが豊富です。バロック式のオブラドイロ正面の先には、12世紀ロマネスク美術の最高傑作と称される3つのアーチを持つ「栄光の門」があります。12世紀の初めに作られた200体に及ぶ彫像が刻まれており、こちらも見る価値あり。もちろん中央には聖ヤコブの像が作られています。

 

スペインバロック様式の中央祭壇には、チュリゲラ様式の聖ヤコブの像が。地下の礼拝堂では聖ヤコブの棺もあるのでお参りして、時間がある方はミサへの参加もおすすめします。

 

ロマネスクに彩られた巡礼路

 

スペイン巡礼の旅は、別名ロマネスク街道と呼ばれており、かつてロマネスクが伝えられた道でした。道中至る所に、ロマネスク様式大聖堂や聖堂など、ロマネスクの芸術が点在しています。

 

まとめ

雨や風、雷など、神は巡礼者にあらゆる試練を与えるといわれています。でも、ボランティアや地元の人々の、無償の人間愛も感じられます。巡礼路を歩き、ゴールでは信仰の喜びを分かち合えるはず。自分の犯した罪をリセットするためにも、ぜひ、ヤコブ信仰の巡礼をしてみてはいかがでしょう。

 

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