モロッコ

モロッコを語るなら知っておくべき世界遺産「マラケシュ旧市街」

マラケシュは、かつてキャラバン隊が行き交ったサハラ砂漠と肥沃な大地が育んだ自然地帯の隔壁となっていたオアシス都市です。城壁に囲まれた旧市街には、イスラム勢力が残した歴史的恩賞が集結しています。モロッコという国名の起源となった場所でもあるんです。今回は、モロッコの世界遺産「マラケシュ旧市街(メディナ)」をご紹介します。

 

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マラケシュ旧市街とは?

モロッコのほぼ中央に位置する、マラケシュ。世界遺産に登録される旧市街は、赤土の日干しレンガで造られた、赤茶色の街並みの美しさも魅力です。この美しい街ができたのは、イスラム勢力のムラービト王朝の都が置かれた11世紀後半のこと。キャラバン隊のオアシス的存在だったこともあり、商業や経済も発展しました。現在は、モロッコ第二、第三の都市となっています。

 

ムラービト王朝にもモスクなど色々な建物が建設されましたが、次にこの地を制した12世紀のムラッヒド朝に木っ端みじんに破壊されました。ムラッヒド朝が建てた歴史的建造物をはじめ、この地を支配した歴代の王朝によって多くの建造物が増改築されています。

 

モロッコといえば迷路のような場所がたくさんあります。マラケシュ旧市街も迷子感覚を楽しめる迷路のような町並みで有名です。これは、侵入してきた敵を迷わすために作られたものです。迷子になった気分を味わいながら、宮殿やモスク、スーク(市場)などを巡り、マラケシュの歴史を感じながら旧市街を散策してみてはいかがでしょう。

 

『マラケシュ旧市街』は、1985年に世界遺産として登録されました。
登録基準は、文化遺産(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)(ⅴ)です。

 

アクセス

モロッコの首都カサブランカから飛行機でメナラ空港まで約50分。列車では、カサ・ヴォヤジャー駅から約3時間。

 

見どころ

モロッコの人々や観光客で賑わうジャマ・エル・フナ広場をはじめ、歴史的観光スポットが数多く残るマラケシュ旧市街。それでは、必見の世界遺産スポットを見てみましょう。

 

ジャマ・エル・フナ広場

高さ5m、厚さ2m、総延長12kmの城壁が囲む旧市街の中心に位置する、かつて、公開処刑所として使われていた広場です。サハラやアトラスの商人たちをはじめ農民や各地の人々も集う広場としても活躍しており、さまざまなマラケシュの歴史を見てきた場所です。

ここは別名「お祭り広場」と呼ばれており、エネルギッシュなマラケシュを感じられます。ヒッチコック作の『知りすぎた男』のロケが行われた地でも有名です。昼は大道芸人がパフォーマンスを繰り広げ、夜になると音楽が流れそれを囲む人々が食べたり踊ったりと、翌1時くらいまで賑わっています。

 

バビア宮殿

アルハンブラ宮殿に負けないほど美しいといわれる宮殿です。19世紀後半に同時の大宰相の指定として建てられたもの。壁や柱の彫刻をはじめ、ムーア式やアラブ風のアーチ、色彩豊かなタイルで飾られた部屋など見どころも豊富です。
現在も国王が宿泊する豪華絢爛な宮殿には、ここを建てた建築家のこだわりを見ることができます。

 

クトゥビアの塔

旧市街の西に聳える、マラケシュのランドマークです。77mの塔(ミナレット)は一際高く、この塔を目印に散策する人も多いとか。塔の飾りも美しいもので壁面それぞれに異なった装飾がされています。また、ライトアップされ闇夜に浮かび上がる姿も幻想的で素晴らしいですよ♪

 

スーク

世界最大級のスーク(市場)といわれるジャマ・エル・フナ広場の北側に広がる商業地区です。サハラ砂漠との交易に貢献されたマラケシュならではの雰囲気を体感するのも◎。スーク内は同じ景色が続くので、迷子にならないように注意してくださいね。
鍛冶屋や革職人、絨毯や真鍮、ハブーシュなど、スーク内も売る品物によって分かれているので、目的地を決めて巡ってみるのが得策かも。

 

ベン・ユーセフ・マサドラ

1565年のサアード朝時代に建てられた、イスラム神学校。アラブ・アンダルシア建築の最高傑作と称されており、イスラム建築の美しさでも有名です。当時、学生たちが使っていた寄宿舎が主な施設。化粧漆喰や緑瓦など凝った装飾が見物。細部にまで拘って作られた装飾は、息をのむほどの美しさです。白い大理石が敷き詰められた中庭も見る価値あり。

 

ムアッシン・モスク&泉

メディナの中で一番大きなモスクといえばベンユーセフ・モスクですが、16世紀のサアード朝時代にユダヤ人街に造られたムアッシン・モスクも外せません。3つの水盤が備わった美しい泉も見物です。

 

メナラ庭園(新市街)

新市街で必見なのは、メナラ庭園です。ここも世界遺産の一つで、12世紀のムワッヒド朝時代の栄華に触れることができます。貯水池とオリーブとの林のコラボレーションも素晴らしく、都会のオアシス的な雰囲気を感じられます。

 

他にも、1549~1659年に勢力を誇った王(スルタン)たちが眠る「サアード朝の墳墓群」や美しいアーチ模様が必見の王宮近くにあるアグノウ門など、見るべき歴史建造物がひしめいています。

 

まとめ

屋台が軒を連ねる活気に満ちたジャマ・エル・フナ広場は、「ジャマ・エル・フナ広場の文化空間」として無形文化遺産に登録されています。また、世界遺産の旧市街を巡った後は、フランス人によって造られた新市街を巡ってみてはいかがでしょう。

 

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