バチカン市国

10億人のカトリック教徒の総本山で世界最小の独立国「バチカン市国」

ローマ市の中に位置する、国土面積約0.44㎢と世界一小さな独立国として有名な、バチカン市国。カトリック教の総本山という神聖な場所でもあります。今回は、国全体が世界遺産の「バチカン市国」をご紹介します。

 

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「バチカン市国」とは

テヴェレ川の西側に位置する、世界最小の独立国家として有名な「バチカン市国」。ローマ市の北西部にあり、10億人のカトリック教徒の総本山としても知られています。カトリック教の頂点とされるサン・ピエトロ大聖堂があり「ローマ法王庁」有しています。人口は約830人で、そのほとんどがカトリックの聖職者です。

 

古い城壁に囲まれた国内は、貴重な歴史的建造物や美しい美術品などの最高傑作を集めたような場所です。国全体が観光資源といっても過言ではありません。

 

『バチカン市国』は、1984年に世界遺産として登録されました。
登録基準は、文化遺産(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)(ⅵ)です。

 

アクセス

ローマの地下鉄「オッタヴィアーノ・サン・ピエトロ駅」から徒歩で約15分。(イタリアからの入国では、パスポート検査は不要。)

 

バチカン市国の成り立ち

ローマ皇帝から迫害され続けたカトリック教ですが、コンスタンティヌス皇帝が、ミラノに勅令を出しキリスト教を公認するという大転換を図りました。324年には、聖ペテロが殉職したとされる地に聖堂が建てられました。聖堂跡地には、1667年にベルニーニが、「サン・ピエトロ大聖堂」を建設しています。

 

1870年にイタリア統一で、この地は、イタリア王国領となるも、1929年にイタリアとローマ教皇庁の間で「ラテラノ条約」が締結され、ローマ教皇が統治する「バチカン市国」が誕生しました。

 

バチカン市国見どころ

皇居の3分の1という小さな敷地内に、ひしめき合うように歴史的建造物が立ち並んでいます。ルネサンスやバロックの巨匠たちの彫刻や絵画など、素晴らしい芸術作品もたくさん見ることができ、国全体がまるで博物館のようです。

 

サン・ピエトロ大聖堂

世界一小さい国のバチカン市国に、世界一大きなカトリックの聖堂が立っています。これが世界に10億人もの信徒を抱える、サン・ピエトロ大聖堂です。ローマ・カトリックの教会で、1546年に教皇ユリウス2世の命で聖ペトロ殉教の地に建てられました。

 

手掛けたのは72歳のミケランジェロで、その後さまざまな建築家により引き継がれました。完成したのは1626年です。聖堂内部見学のメインは、ミケランジェロが設計したといわれる、巨大なクーポラです。ラテンの十字の聖堂内には、司教座や聖ロンギヌスの像やフィラレーテの扉など、バロックの巨匠が手掛けた彫刻で飾られており、訪れる人を魅了しています。

 

ここで必見なのは、ローマ皇帝の庇護を受けていたルネサンス三大巨匠のひとりミケランジェロ作の「ピエタ」です。キリストの亡骸を抱きかかえる聖母マリアの表情からは、母の悲しみを感じられます。この作品は、ミケランジェロが25歳の時に造ったもので、唯一自身のサインが書かれていることでも有名です。ウルバヌス8世の命により造られた、ベルニーニ作のブロンズ製の大天蓋、『バルダッキーノ』も見物。これは、先ほどご紹介したクーポラの直下にあります。

 

サン・ピエトロ広場

サン・ピエトロ大聖堂の正面には、直径240mもあるバロック様式の広場があります。17世紀にベルニーニが設計を担当しています。中央にはエジプトから運ばれたオベリスクがあり、囲むように284本の柱が立つ大柱廊が有名です。この回廊の上には140体のカトリック聖人の像が並んでいます。

 

広場の南北にある中心点には円盤が設置されており、ここに立つと4列ある円柱が1列に見える構造になっていて面白い広場です。

 

バチカン博物館

ローマ皇帝が住むバチカン宮殿の大部分を占めているのが、巨大な美術館となっている「バチカン博物館」です。ここには、歴代教皇たちが収集した膨大なコレクションを展示しています。ここの観光だけでも3時間は欲しいところ。古代ローマ美術やラファエロの傑作、ミケランジェロの傑作やルネッサンス美術など、見るべき芸術作品の宝庫となっています。

 

芸術作品の他にも、建物内や庭園も見る価値ありです。1932年にジュゼッペモーモによって造られた、二重構造の螺旋階段の手すりには古典様式の装飾が施されています。また、ラファエロ間には『聖体の議論』や『アテネの学堂』、ピナコテカ(絵画館)には『キリストの変容』や『聖母戴冠』などラファエロの作品も数多く展示されています。

 

1477~1480年にかけて建設されたシスティーナ礼拝堂は、ミケランジェロ晩年の大作『最後の審判』があることでも有名です。天井画の旧約聖書を題材に描いた『天地創造』もお忘れなく。

 

まとめ

世界でいちばん小さな独立国は素晴らしい世界遺産です。小さい国だからといって、侮ることなかれ!見どころがたくさんあり、とても1日では見きれないほど。カトリック総本山の厳かな雰囲気を味わい、ルネッサンス期の巨匠をはじめ名だたる芸術家の美しいアートに酔いしれる観光ができるのも魅力です。

 

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