メキシコ

謎多きメキシコの巨大ピラミッド!「古代都市テオティワカン」

「古代都市テオティワカン」は、メキシコ中部のアナワク高原にある古代宗教都市で、メキシコで最初に文明が誕生した地といわれています。この文明が後の、マヤ文明やアステカ文明に繋がったのです。今回は神秘に包まれたメキシコの世界遺産「古代都市テオティワカン」をご紹介します。

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「古代都市テオティワカン」とは

メキシコ・シティから北東へ約50kmに位置する「古代都市テオティワカン」は、メソアメリカ最大の宗教遺跡です。紀元前200年に周辺にあった小さな集落が統合を始め、紀元後700年ごろには、15万人を超える人口を有する大都市となりました。350~650年の間に繁栄し宗教都市国家が形成されます。理由は未だに不明ですが、7世紀後半から急速に衰退を始め8世紀には滅亡したのです。

14世紀にアステカ人が謎の廃墟遺跡をみつけ、ナワトル語で「テオティワカン(神々の集う地)」と名付けました。遺跡の発掘は1884年から行われており、現在地中から顔をのぞかせているのは、全体の約10分の1だそうです。

テオティワカンの遺跡はほとんど、マヤ文明まで使われていたタルー・タブレロ式で建てられています。この建築様式は、タルーと呼ばれる傾斜壁とタブレロと呼ばれる垂直の土台を交互に積み上げたもの。太陽のピラミッドは、エジプトのクフ王とカフラ王のピラミッドに次いで、世界3番目の大きさです。ピラミッドが作られた理由は、お墓ではなく、宇宙や生命のシンボルとしてでした。

テオティワカン文明を作ったテオティワカン人が、どこから来てどこに消えたか分かっていません。マヤ文明やアステカ文明の繋がる極めて高い知識があったと見られ、メソアメリカ全域に大きな影響を及ぼしていると研究者たちを夢中にさせています。

『古代都市テオティワカン』は、1987年に世界文化遺産として登録されました。登録基準は、文化遺産(ⅰ)(ⅱ)(ⅲ) (ⅳ)(ⅵ)です。

アクセス

メキシコ・シティからバスで約1時間。
観光には、3~4時間は必要です。埃っぽくて日差しも強いので、日焼け止めやサングラス帽子や飲料水を用意しましょう。また、雨季は雨具もあった方が無難です。

「古代都市テオティワカン」のみどころ

テオティワカン遺跡は、きちんと区画整理された計画都市だったようです。中心部にある太陽のプラミッドは、「登れるピラミッド」としては世界で最高の高さを誇っています。アステカ歴の新年とされる「春分の日」は、メキシコ人を始め100万もの人が訪れ賑わいます。この日は太陽のパワーを授かることができ、1年の幸運を願うのが現地の習わしです。それでは、「古代都市テオティワカン」のみどころをご案内します。

太陽のピラミッド

200年ごろに作られた高さ65m、底辺222m×225mもあるピラミッド。当時1万人もの人が携わり10年かけて作られた、テオティワカン最大の建造物です。
夏至の日は、真向かいに太陽が沈むように設計されたといわれ、テオティワカン人は高度な天文知識を持っていたといわれています。また、年に2回太陽が真上に昇る日があり、この日はまるで後光がさしているような神秘に包まれるとか。
248段を登った頂上からは、爽快な景色が広がっています。世界有数のスケールの大きなピラミッドからは、この地の壮大な歴史スペクタルを感じられます。

月のピラミッド

テオティワカンの中で、2番目に大きなピラミッド。高さ47m、底辺140m×150mあり、350年ごろに作られました。太陽のピラミッドより遺跡自体の高さは低いですが、地面が隆起しておりほぼ同じ高さです。月のピラミッドの上からの景色は、遺跡全体を見渡す絶好の映えスポットです。

死者の道

テオティワカンの真ん中を貫く、南北3km、幅50mの大通り。最近の調査で、左右に佇む遺跡をつなぐこの大通りに対して直角に東西に交わる道が通っていたことが明らかになっています。この2つの道は、星との関わりがあるとの説も唱えられています。

ケツァルコアトルの神殿

中南米の文明では重要な神として崇められるケツァルコアトル神など神々の像で埋め尽くされた神殿です。四方を城壁に囲まれており、装飾の美しさが秀逸なのが特徴です。前面にはケツァルコアトル(羽毛の蛇、水と農耕の守)とトラロック(雨の女神)などの彫刻が見られます。また、赤や緑の色が残っており、エジプトのような赤色塗料を塗ったものとは違い、極彩色で彩られていたことも分かっています。

ケツァルパパロトルの宮殿

月のピラミッドで行われた祭事に携わった神官たちの住居とされる宮殿です。遺跡群の中で、最も完全な状態に修復された建造物のひとつとされています。特に、中庭の石柱に施された、鮮明に残された鳥をモチーフにした浮彫は必見です。

また、この宮殿の南西には階段があり、ジャガーの宮殿へといくことができます。ジャガーの宮殿の中庭は半地下になっており、3つの部屋に残る色彩豊かな壁画を見ることができます。

まとめ


現在も、遺跡の発掘調査が行われています。文明には文字がなく未だに謎が多い遺跡だけに、私たちに夢とロマンを与えてくれています。雨季をのぞく11~6月の月・木・金・土曜日には、「光と音のショー」が開催され、太陽のピラミッドがプロジェクションマッピングで彩られます。興味のある方はぜひ、時間を調整して訪れてはいかがでしょう。

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