フランス

南フランスに行ったら絶対に行きたい美しい世界遺産!アヴィニョン歴史地区

「アヴィニョン歴史地区」は、16世紀の宗教革命へと繋がる歴史の生き証人の遺産です。「アヴィニョンの橋で踊ろよ踊ろ」というフランス民謡で知られる町で、ローヌ河畔に架かるアヴィニョン橋の絶景と、この地が培った歴史的景観がうまく融合した風景が大変魅力的!今回は、美しいフランスの世界遺産「アヴィニョン歴史地区:教皇宮殿、大司教座の建造物群、およびアヴィニョン橋」をご紹介します。

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アヴィニョン歴史地区とは

アヴィニョン歴史地区は、フランス南東部プロヴァンス地方ローヌ川下流沿岸の都市アヴィニョンに位置しており、14世紀に建造された城壁の内部には中世からの歴史的建造物が数多く残っています。世界遺産の対象は、教皇宮殿とその周辺やノートルダム・デ・ドン大聖堂、サン・ベネゼ橋(アヴィニョン橋)など。

『アヴィニョン歴史地区』は、14世紀のキリストの世界を色濃く残す重要な場所として、1995年に世界文化遺産として登録されました。2006年に現在の登録名『アヴィニョン歴史地区:教皇宮殿、大司教座の建造物群、およびアヴィニョン橋』に変更されています。
登録基準は文化遺産(ⅰ)(ⅱ) (ⅳ)です。

アクセス

マルセイユ・サン・シャルル駅からTGV(高速列車)に乗り、アヴィニョン・サントル駅まで約1時間40分。駅から中心地まで徒歩で北へ約10分。

アヴィニョンの歴史

このアヴィニョンは、ローマから唯一教皇庁が移された場所で、この地は歴史の表舞台に立ちました。フランス国王フィリップ4世は、教会の課税を巡り対立。教皇がクレメンス5世に変わると圧力をかけたのです。

1309年に教皇庁をアヴィニョンに移転させました。ここから7代目のグレゴリウス11世の時代まで、68年間教皇庁はローマに無く、このアヴィニョンにありフランス国王の監視下にあったのです。

1309~1377年までのフランス国王監視下の時代を、「教皇のバビロン捕囚」と呼び、ヨーロッパの重要な歴史のひとつとして名を連ねています。

1377年にグレゴリウス11世がローマに帰還するも、1417年にコンスタンツ公会議でローマ教皇に一本化するまで、教会が2つに分裂した「教会大分裂(大シスマ)」という混乱期だったのです。1791年までアヴィニョンにも、教皇が擁立されていました。

アヴィニョン歴史地区の見どころ

「教皇のバビロン捕囚」と呼ばれた約70年間は、歴史とは逆にアヴィニョンが最も繁栄した華やかな時代です。クレメンス6世が、プロヴァンス伯から、街を買い取り教皇領としました。それでは、カトリックの中心地を誇った時代の栄華を語る、歴史的建造物をご紹介しましょう。

アヴィニョン教皇庁

フランスで最も大きなゴシック式建築の建物です。「教皇のバビロン捕囚」の時代の歴史を語る史跡と重要視されています。建物の北半分は、3代目のベネディクトゥス12世によって建てられた旧宮殿です。戒律の厳しいシート会出身の教皇らしい、質素で厳格なもの。

贅沢好みで貴族出身の4代目のクレメンス6世が建てた新宮殿は、対照的にゴシック様式が取り入れられた華美なもの。フレスコ画やタペストリー、彫刻など、豪華な室内装飾で飾られており、現在も一部を見ることができます。この時代に教皇領となったため、多くの芸術家や文化人が訪れるようになったようです。

他にも礼拝堂が備わっており、教皇の寝室や鹿の間(教皇の書斎)などに、素晴らしいフレスコ画が残されています。また、夜にライトアップされた姿も幻想的です。

ノートルダム・デ・ドン大聖堂

教皇庁宮殿の左には、4世紀のカトリックのバシリカ式聖堂をもとに、ヨハネ22世が建てた大聖堂が聳えたっています。何度も改装されており、ロマネスク様式の大聖堂となっています。かつて、キリスト教世界の要の地となった、往時を彷彿とさせています。

プチ・パレ(小宮殿)

現在美術館となっている、14世紀に建てられた元枢機卿の館です。中世からルネサンス期のイタリアの美術が展示されており、フランスでも指折りのコレクションを誇っています。

サン・ベネゼ橋(アヴィニョン橋)

冒頭でご紹介した民謡が残る石橋は、アヴィニョンのシンボルで1177年から8年かけて建造されたもの。ローヌ川に架かる橋は何度も氾濫で流され、現在は4つのアーチと橋の上のサン・ニコラ礼拝堂が残るのみ。元々は、対岸のフィリップ美男王の塔に達するまで、22ものアーチがあった大橋でした。

ロシェ・デ・ドン(ドンの岩壁)

教皇庁宮殿の裏にある、高さ30mある岩壁はかつて自然の要塞となっていました。現在は岩壁の上が公園となっています。ローヌ川に面したテラスからの見晴らしは最高で、サン・ベネゼ橋や対岸のヴィルヌーヴ=レザヴィニョン、周辺の自然との調和が見事な絶景が広がっています。

まとめ

一年を通して温暖な気候に恵まれた地です。アヴィニョンの歴史を見学し、南仏プロヴァンスの牧歌的な風景に癒される旅を楽しんではいかがでしょう。

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