モロッコ

カオスな迷宮都市!モロッコの世界遺産フェスの旧市街

フェス歴史地区

北アフリカのモロッコにあるフェスの旧市街は、世界のどこの街より複雑に造られた迷宮都市です。人がやっと往来できるほどの細い路地が約1000筋も無秩序に走っており、車も入れず未だにロバやラバで荷物を運搬しています。今回は、モロッコの古都『フェスの旧市街』をご紹介します。

 

「世界一の迷宮都市」フェス旧市街とは?

フェスは、3つの町から成る1000年以上の歴史が息づく古都です。808年に建設された「フェス・エル・バリ」と、その西に13世紀になって拡張された「フェス・エル・ジェティド」が、世界遺産となっています。旧市街の外には、フランス統治時代に造られた新市街が広がっています。

 

フェス・エル・バリには、イスラム最古といわれるカラウィン・マドラサ(大学)や北アフリカ最大のカラウィン・モスクが残されています。未だに中世イスラム都市の姿が残る大切な街として、1981年に世界遺産に登録されました。登録基準は、文化遺産(ⅱ)(ⅴ)です。

 

木と石を組み合わせた中世の家並みやコバルトのタイルやモザイク装飾、ドアや窓枠に彫られたイスラムの幾何学模様などが、素晴らしく見応えがあります。

 

アクセス

カサブランカから飛行機で約45分。モロッコ航空が週6~7便運航しています。フェス空港から、旧市街までタクシーで約40分です。列車ではカサ・ヴォヤジャー駅から約4時間。1日14本運行しています。フェス駅からブー・ジュルード門まで、徒歩で約30分程度です。

 

古い町フェス・エル・バリ

808年にムーレイ・イドリス2世が、北アフリカ初のイスラム王朝を築き、その首都がフェスでした。東岸のアンダルース地区が繋がり、東西2.2km、南北.1.2kmほどの街を城壁で囲んだエリアが、現在の古い町です。

 

旧市街の細い道 

 

かつて、北アフリカは幾度となく侵略を受けていたため、地中海沿いの都市では、強固な城壁に囲まれた迷路のような町が形成されました。中でもフェスは、上り下りが激しく起伏に富んだ地に網目のような路地と建物がひしめき合うように立ち並んでおり、「世界一の迷宮都市」と称されています。

 

旧市街の入口には、美しいタイル装飾で彩られたブー・ジュルード門があり、一歩足を踏み入れるとまさに1200年前の世界にタイムスリップしたような光景が広がります。

 

都としての地位はマラケシュに取られてしまいましたが、その後も信仰や文化、芸術や商業の中心として栄えました。現在も伝統工芸の職人街があり、タンネリではモロッコ特産の皮革製品が作られています。

 

タンネリの染料が入った壺

 

新しい町フェス・エル・ジェディド


13世紀に造られた新しい町にはマリーン朝の王宮があり、何世紀にも渡って増改築が繰り返されました。

 

壮麗かつ威厳ある姿をしており、現在もモロッコ国王がフェス滞在時に使用しています。古い町にはない景観を楽しめる、メッラハ(ユダヤ人街)も訪れる価値ありです。オアシス的な存在のブー・ジュルード庭園でゆっくり過ごし、フェス・エル・ジェディド通りでショッピングを楽しむのもおすすめです。


メッラハ(ユダヤ人街)

アタリン・マドラサ

 

旧市街のおすすめ観光ルート

ブー・ジュルード門から中心のカラウィン・モスクまでのメインストリートは、「タラア・ケビーラ通リ」と「タラア・セギーラ通リ」の2本ですが、フェス・エル・バリは世界一の迷路のような町なので、公式ガイドの案内を頼むのがおすすめです。(ガイドは新市街の観光案内所で依頼)

 

効率よく巡るルートとしては、ブー・ジュルード門→ブー・イナニア・マドラサ(神学校)→ネジャーリン広場→ザウィア・ムーレイ・イドリス廟→スーク・アタリン(香辛料市場)→アタリン・マドラサ→カラウィン・モスク(街の中心)→サファリーン広場→タンネリ→アンダルース・モスク→ブー・ジュルード門まで戻るルートがおすすめです。

 

まとめ

モロッコ最古の王朝から、1200年もの悠久の歴史を今に伝える、街全体がまるで博物館のようなフェスの旧市街。モスクから聞こえるアザーンの声を聴きながら散策するのもおすすめ。

スーク(市場)では、名産の陶器やバブーシュ、美しい刺繍などを見ながらの散策もおすすめです。歴史ある邸宅カフェや邸宅ホテルのリヤドに泊まるのもフェス観光の醍醐味です。

 

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