断崖絶壁に囲まれた細い一本道の巨大な岩の裂け目「シク」を通るときは、まさに探検隊になった気分♪シクの先には、映画『インディ・ジョーンズ』のロケ地とされた、ピンクの遺跡「エル・ハズネ」が登場!アドベンチャー気分を満喫できる、ヨルダンの世界遺産「ペトラ」をご紹介します。
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ペトラとは?
ギリシャ語で「崖」を意味するペトラは、新・世界七不思議に選ばれている、古代ナバタイ王国の都です。紀元前2世紀ごろに巨大な砂岩を刻んで作られた商隊都市で、岩山を割くように溝が走りその下に、天然の要塞に守られるようにペトラは存在しています。しかし、全貌は明らかになっていません。
谷底には狭い回廊が1.5kmも続いており、ここを歩けばかつてこの地を支配していた遊牧民ナバタイ人の土木技術や芸術性に優れた、彼らの能力の高さを目の当たりにします。
隊商を組んだナバタイ人は、香辛料をアラビア半島やインドから地中海やエジプトへ運び富を得て都市を築きました。砂漠の隊商を支配し、この地を通る彼らの安全を保証することで国を潤したようです。1世紀の初頭には最盛期を迎えるも、106年にローマ帝国に支配され、都市はローマ風の街に建て替えられました。
363年に大地震がペトラを襲い壊滅的な打撃を受けました。663年にイスラム帝国に征服されるも、交易の拠点としての地位をパルミラに取られると、次第に衰退します。749年にまた大地震が起こり甚大な被害を受け、ナバテア人はとうとうペトラを放棄したのです。岩をくりぬいて作られた都市ペトラのその後は、ベドウィン族だけが知る幻の遺跡となりました。1812年にスイス人探検家のルートヴィヒ・ブルクハルトが発見。世界に紹介しました。
『ペトラ』は、1985年に世界遺産に登録されています。大規模の荻町集落と中規模の相倉集落、小規模の菅沼集落が対象です。
登録基準は、文化遺産 (ⅰ) (ⅲ) (ⅳ)です。
アクセス
ヨルダンの首都アンマンからJETTバスで約3時間半ほどです。
ペトラの見どころ
シクとエル・ハズネ
シクとラクダ
高さ60~100mの断崖の底にある細い道「シク」は、何層にも重なる美しいピンクの岩肌を見ながら歩くのが醍醐味。約30分歩くと光が差し込みその間からは、バラ色に輝く高さ約30m、間口約25mの堂々たる姿の「エル・ハズネ(宝物殿)」が見えます。
エル・ハズネ(宝物殿)
紀元前1世紀ごろに創建し、ヘレニズム様式の影響を受けた、ペトラの中で最も美しいといわれる2階建ての建物です。映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のロケ地として使われました。
柔らかい砂岩に造られており、円柱や細かな装飾なども自由に彫ることができました。交易の要衝らしく、ギリシャ神話のアマゾネス像やエジプトの女神のイシス像、アッシリアの神など、ここを行き交ったさまざまな文化が彫り込まれています。宝物殿説の他に、葬祭殿や霊廟、寺院だったとの説もあり、はっきりしたことは分かっていません。
ローマ円形劇場
紀元前1世紀ごろ、最盛期に王となったアレタス4世によって、グレコ・ローマン様式で作られた円形の劇場。実は、遺体を保存したロクリと呼ばれる洞窟があり、パフォーマンスを楽しむための劇場ではなくアレタス4世の葬儀場として建てられたと伝わっています。
王家の墳墓
円形劇場の先には、500もの墳墓が見えてきます。王たちは死後の世界を信じており、“自分の権威を見せつけるよう競って立派な墓を造った”といわれていますが、実は謎のままで、セクスティウス・フロレンティヌスの墓以外は詳しいことは分かっていません。
別邸や宮殿だったなど、色々な説がささやかれています。しかし、どのお墓の装飾や砂岩模様も素晴らしく息を飲むほど。ナバタイ独特の円柱に角が生えたものなど、装飾を見て歩くのもお忘れなく!
エド・ディル(修道院)
ペトラ最大の建造物とされる、太陽殿を祀ったとされるシンプルな遺跡です。標高1,000mの山頂に位置しており、高さ40m、幅28mある壮大なもの。王国の繁栄ぶりを象徴しているようです。
中には、壁に十字架が彫られたものもあり、教会として使われていたとの説もあります。詳しいことは分かっていませんが、ナバタイ最後の王ラベル2世が、神と崇められた先代のオボダス2世を祀るために作ったとか。また、この遺跡の周辺では、碑文が見つかっています。
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他にも列柱通りや凱旋門、ペトラで重要とされる神殿カスル・アル・ヒントなど、見どころも豊富です。
ペトラ・バイ・ナイト
週に3日行われる、夜のイベントです。シクなどの道に1,500本ものキャンドルが灯され、その中を歩いてエル・ハズネに向かいます。昼間とは全く違う、幻想的な雰囲気にうっとり。ベドウィンによる音楽のショーや、観客参加型の儀式も行われます。ショーの前には、ミントティーも配られますよ♪
ショーが終わるとメインイベントの、エル・ハズネのライトアップショーが行われます。その後は、フォトジェニックなペトラの撮影タイム。古代ペトラに誘われるような気分に浸れる、夜の幻想的なイベントです。ショーを楽しみたい方は、前の方の席を確保してくださいね。
まとめ
ヨルダン屈指の観光スポットペトラに訪れて、考古遺跡を見て感動するのはもちろんですが、奇岩地帯にあるキャンプに泊まって、ペドウィンの日常に触れる観光もおすすめです。
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