フランス

美しいステンドグラスに魅せられる!フランスの世界遺産「シャルトル大聖堂」

パリから列車で約1時間の場所にある、静かな田舎町のシャルトルに11世紀に建てられた大聖堂。正式名称はシャルトルのノートル・ダム大聖堂です。シャルトルブルーといわれる、美しいステンドグラスが有名で、観光客の心を癒してくれています。今回は、聖母マリアに捧げられたフランスの世界遺産シャルトル大聖堂をご紹介します。

 

シャルトル大聖堂の歴史を簡単に!

かのロダンが、「フランスのアクロポリス」と賞賛した、威風堂々と立つ2つの尖塔を持つシャルトル大聖堂。はじめに建てられた大聖堂は、1194年の大火事で西側の塔以外の、ほぼ全てを焼失してしまいます。ロマネスク様式だった大聖堂は、たった26年という速さで、ゴシック様式で再建されました。
マリアが受胎の告知を受けた時に着ていた、青色のサンクタ・カミシア(聖衣)が、奇跡的に焼け残ったことが広まり「マリアの奇跡」と噂が立ち、フランス中のマリア信仰者から寄付が集まりました。そして、フュルベール司教とジョフロワ・ド・レーヴの指揮の元に、フランスゴシックの傑作といわれるほど荘厳な大聖堂が建てられたのです。一目サンクタ・カシミアを見たいと、人々がこの聖堂に訪れました。また、聖堂内にはマリアに関するステンドグラスがたくさん設置されています。
シャルトルブルーの神秘的な光を放ち再現不能とまでいわれる美しいステンドグラスを持つ『シャルトル大聖堂』は、1979年に世界遺産に登録されました。登録基準は、文化遺産(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)です。

 

ロマネスクとゴシックの彫刻は必見!


フランスには数多くのゴシック様式の聖堂がありますが、これほどバランスが良く精緻な彫刻が施された建物は他にはないといわれています。大聖堂は十字架の形をしており、十字架の下の部分にあたる西ファサードには、それぞれ違う形をした双塔があります。北の塔は約115mの高さを誇るゴシックの塔です。南側には先ほどお話しした、火事を免れたロマネスク時代の高さ105mの旧塔が立っています。内部の身廊は高さ37mもあり、塔と同じく当時世界最大級でした。

 

また、西ファサードの王の扉口は、ロマネスク末期の芸術の白眉といわれ、重厚かつ優れた彫刻群が人々の目を楽しませています。人像円柱の上に伸びるアーキヴォルト(半円状の帯)や、聖堂内の彫刻群も見る価値ありです。他にも北と南のファサードにも扉口があり、見事な彫刻に圧倒されます。イエスや天使、新旧聖書の物語など様々な彫刻も素晴らしいものです。中には面白い顔をした彫刻なども見られるので、探してみるのも醍醐味かも。

 

ステンドグラスの美しさは世界一


当時は、高い天井を少ない柱で支えるリブ・ヴォールトという様式が多用されていました。天井の表面に突出したリブは、6分割や8分割はこれまでもありましたが、シャルル大聖堂では4分割になっています。これにより、窓のスペースが大きくなり、美しいステンドグラスをたくさん使うことができたのです。

 

聖堂内には173もの窓枠が造られており、総面積2000平方メートル以上のステンドグラスが使われています。ここにあるステンドグラスは11~13世紀のもので、大火や戦火を免れたフランス最古のステンドグラスで希少価値の高いものです。落ち着いた光を放つ青色が美しく、「シャトル・ブルー」という言葉が生まれています。

 

聖書を読むことができなかった人のためにはめ込まれたステンドグラスには、「美しき絵ガラスの聖母」から「最後の審判」など聖書の物語が描かれています。北ファサードにあるステンドグラスは、マリアの生涯を描いたもので、バラ窓のシャトル・ブルーの美しさも必見です。

 

まとめ

シャルトルでは大聖堂の観光は必見ですが、歴史ある街並みも魅力です。圧巻の双塔はもちろん、いくつもの石橋がかかるウール川沿いをのんびり散策するのもステキですよ。特にマサークル橋からの大聖堂は息を飲むほどの美しさです。4月中旬~10月中旬までは、プロジェクションマッピングが行われ、幻想的な光のショーは見る価値があります。

 

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