スペイン

シンメトリーの美学を!スペインの世界遺産「アランフェス」

アランフェスは、スペインとポルトガルの国境を優雅に流れる「タホ川」のほとりに位置する、スペイン王が愛した避暑地です。この町の最大の魅力は、王家ゆかりの地らしい優雅さとシンメトリーの美しさでしょう。今回は、スペインの世界遺産「アランフェスの文化的景観」をご紹介します。

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「アランフェスの文化的景観」とは


出典:ウィキメディアコモンズ
荒涼としたカスティーリャ地方の中でも、オアシス的な存在として知られるアランフェス。マドリードから南に30kmにあり、首都から訪れやすいのも魅力です。16世紀後半のフェリペ2世の時代から約300年の年月をかけて景観の増進に尽力し、自然と人間がバランスよく暮らせる街を造り上げました。

夏に別荘として使われた王宮や庭園、街並みなどが、世界遺産に登録されています。幾何学的な景観の中に曲がりくねった水路、田舎と都会、森林と緻密に設計された王宮などのシンメトリーの美しさは、世界遺産の中でも貴重な存在です。スペイン王家ハプスブルク家が及ぼした影響力を感じながら、散策してはいかかでしょう。

スペイン内戦でアランフェスが被害を受けたことを悲しんだ、盲目の作曲家ホキン・ロドリーゴが「アランフェス協奏曲」を作曲しました。平和を願い作られたこの曲が広まったことで、アランフェスの存在が世界中に広まったといっても過言ではありません。スペインギターの音色を聞けば、アランフェスの隠れた魅力を感じられるはず。

『アランフェスの文化的景観』は、価値の交流と人類の歴史における重要性が認められ、2001年に世界文化遺産として登録されています。
登録基準は、文化遺産 (ⅱ) (ⅳ)です。

アクセス

マドリードのターミナル駅のマドリード・アトーチャ駅からセルカニアで約40分。

春と秋にシーズン限定で、ガイド付きの観光列車「イチゴ列車」に乗るのもおすすめです。マドリッドとアランフェスを結んでおり、3つの観光ルートから選ぶことができます。
https://www.esmadrid.com/ja/itigolie-che-tren-fresa?utm_referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com%2F
生クリームがたっぷりかかったおいしい苺が名物のアランフェスならではの、イチゴ列車に乗っての観光も組み込んでみてはいかがでしょう。

「アランフェスの文化的景観」のみどころ


出典:ウィキメディアコモンズ
アランフェスのみどころは、シンメトリーの美が街全体に見られることと、18世紀の啓蒙主義時代に贅を尽くして作られたバロックの庭園と王宮でしょう。

・王宮

出典:ウィキメディアコモンズ
スペイン王家が春と秋に避暑地とした王宮です。カルロス5世がタホ川に橋を建設した時に、原野に離宮を建てたいと計画しました。1561年に息子のフェリペ2世の命で、南塔と礼拝堂が着工しています。フェリペ2世は世界遺産の古都トレドから宮廷をマドリードに移した王で、マドリードに首都を遷都した人物です。歴代王の時代を経て離宮の建設が始まったのは17世紀の半ば頃。着工から約200年後のフェルナンド6世の時代に完成します。18世紀後半のカルロス3世の時代に拡張され現在の形になりました。


出典:ウィキメディアコモンズ
エントランス中央の大きなシャンデリアや優美な家具で飾られた27の部屋は、イザベル調やルネサンスなど贅を尽くして作られています。中でも、部屋全体が極彩色の陶器で覆われた「磁器の間」やロココ風の家具やタペストリーで装飾された「王座の部屋」は必見です。また、グラナダのアルハンブラ宮殿の「二姉妹の間」を真似て作った「アラブの間(王妃の喫煙部屋)」には、フランス国王から送られたアルハンブラ宮殿が描かれたテーブルも展示されています。内装の鮮やかな色彩が残っており、鍾乳石の飾りも見事です。

王子の庭園


出典:ウィキメディアコモンズ
特に見るべき庭園は、王宮の裏手にあるプラタナスの木々に覆われたイギリス式の「王子の庭園」です。宰相に政治を任せ遊んで暮らした鈍感で馬鹿正直な王カルロス4世が、18世紀末に造園しました。緑と水のバランスが素晴らしい優雅な庭園で、疲れを癒しに訪れた王たちが、狩りや船遊びを楽しんだ様子を偲べます。


出典:ウィキメディアコモンズ
船遊びに使った小舟が展示される「船乗りの家」も見たいもの。金箔をあしらった豪華なリレーフは、ゴージャスの一言です。


出典:ウィキメディアコモンズ
タホ川の流れを上手く利用した庭園も必見です。王宮の北側にある大きく蛇行した川と水路に囲まれた花壇の美しさでも知られる「島の庭園」や美しい噴水があるイスラム調の「ラ・イスラ庭園」も見る価値があります。

農夫の家


出典:ウィキメディアコモンズ
王子の庭園内のタホ川沿いに、フランスのベルサイユ宮殿を模して建てた狩猟のための館です。民衆がアランフェスで蜂起し退位するまで、カルロス4世はここで猟やビリヤード、時計のコレクションに明け暮れ過ごしたとか。超巨大な『トラヤヌスの柱時計』は、1804年にフランスから送られたものです。

まとめ


出典:ウィキメディアコモンズ
小さな王宮ですが、中世の雰囲気を残しており、往時のスペイン王族の暮らしぶりを垣間見られます。緑と王宮のシンメトリーを体感するなら、徒歩より機関車の形をした観光バス「チキトレイン」に乗って巡るのもおすすめです。

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タイトル画像出典:ウィキメディアコモンズ

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