エジプト

世界遺産の口火を切った!アブ・シンベル~フィラエのヌビア遺跡群

世界遺産の設立のきっかけって何かご存知でしょうか?実は、「アブ・シンベルからフィラエまでの間に点在したヌビア遺跡群を救うことが発端だったんです。先史時代からアフリカ奥地への交易の要所だっただけに、お宝遺産遺跡がいっぱい。今回は、世界遺産の口火を切った「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」をご紹介します。

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アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群とは


「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」は、エジプトの最南部のヌビア地方アスワン県にある古代エジプト新王国時代の遺跡群です。フィラエからアブ・シンベルに向かう、ナイル川沿い280kmに渡り点在しています。ナイル川は世界三大河川のひとつで有名ですよね!

神なるファラオの不滅を物語る各神殿には、規模の大きなものが多く、壮麗で秀逸なレリーフなど、エジプトの中でも傑出した遺跡が多いのも特徴です。生で見れば、遺跡たちが発する魅力の虜になること間違いなし!

『アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群』は、世界遺産創設のルーツとなった遺跡で、1979年に世界文化遺産として登録されました。登録基準は、文化遺産(i)(iii)(vi)です。

ヌビア遺跡群がなぜ、世界遺産開設に結びついた?


1960年代ごろ、アスワンに巨大なロックフィルダムの建設が持ち上がりました。このダム建設にあたり、ここにある遺跡たちが水没するという危機に陥っていたのです。それを恐れたユネスコが、遺跡たちを救おうと声をあげました。
「ダムか神殿か」との論争が交わされた後、60ヶ国が賛同し国際協力を得られたため、アブ・シンベル神殿、フィラエ島のイシス神殿など、20以上もの遺跡たちが移築されました。しかも、110メートル西にある約60m上の丘に移されただけで、元通りの位置関係のままなんですよ。この時のダムは、「アスワン・ハイダム」として完成しており、世界で2番目の人造湖となっています。

この遺跡の救済活動が、「国際的な組織を作り世界中の遺跡を守ろう」と世の中を動かし、「世界遺産」の基礎となり具体化されたのです。遺跡の存在がなければ、また重要性が世の中に認められなければ、「世界遺産」は誕生していなかったかもしれませんね。

アクセス

アスワンからアブ・シンベルまで、バスで約4時間。人数が少なければ欠航になることもありますが、飛行機も1日3便運航しています。所要時間は約40分。

アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群のみどころ


「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」は、下記の10の構成資産から成っています。中でも、迫力満点の遺跡や壮麗なリレーフが魅力の遺跡など、必見の遺跡をご紹介します。

10の構成資産とは

アブ・シンベル神殿、アマダ神殿、ワディ・セブア神殿、カラブシャ神殿、フィラエ(イシス)神殿、古王国と中王国の墓地群、エレファンティネ島の古代町遺跡、古代石切り場と切りかけのオベリスク、セント・シメオン修道院、イスラム教の墓地などがあります。

建設王の傑作「アブ・シンベル神殿」


アスワンの南約280kmにある、大岩窟の巨大神殿。ヌビア遺産群の中でも最も有名です。古代エジプト新王国時代19王朝のラムセス2世が造った、太陽神ラーを祀る大神殿と、彼が王妃ネフェルタリのために建てた小神殿があります。ラムセス2世は、自己顕示欲の強いファラオ(王)で、国内の至る所に自身の像を建てており「建築王」と呼ばれています。

太陽の動きを取り入れた東向きの建造物で、年に2回だけ朝から昼にかけて次々と内部の像を日の光が照らすよう綿密に計算されています。


一番のみどころは、高さ21mもある、大神殿正面のラムセス2世の4体の座像。左から若いころから老年の顔に変化しているのもユニーク(あくまでも説ですが)!大列柱室には、4体ずつ2列の彼の像が並んでおり、天井には羽を広げたハゲワシ姿の、ネクベト女神が描かれています。オシリス柱やカデシュの戦いでの彼の雄姿を描いたレリーフも見ものです!


小神殿は、ラメセス2世とネフェルタリが、対等に扱われているのも面白い所。入口の巨像もラメセス2世が4体とネフェルタリが2体と数に差があるものの大きさは同じです。


神殿背後の岩山をスクリーンにした、音と光のショーも必見!この神殿にまつわる歴史をドラマチックに演出しており、イヤホンで日本語解説が聞けるのも嬉しいポイントです。

ナイルの真珠と讃えられた「イシス神殿」


古代エジプトで、聖なる島とされていたフィラエ島にあった遺跡です。実は、この遺跡も、ダム建設で水没の危機に立たされたため、隣島のアギルキアへ移設されています。


みどころは何といっても、イシス神殿のレリーフ。伝説のワンシーン、女神イシスがホルス神を生んだシーンが描かれています。ここは、古代エジプト末期の王朝からローマ支配時代の遺跡が残っており、他にも愛の女神ハトホルを祀った「ハトホル神殿」もみるべきスポット。音楽や踊り、喜びなどをつかさどる女神らしく、内部の列柱には演者の姿などが描かれています。神話のレリーフが見物のローマ皇帝ハドリアヌス帝の門、教会の遺跡にはコプト十字も残っています。

まとめ


「アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群」の魅力は遺産だけではありません。周辺の豊かな自然も最高です。ナセル湖(アスワン・ハイダムによりナイル川がせき止められてできた湖)には、エレガントな船に乗ってのクルーズもあり、イシス神殿などの遺跡と共にエジプトならではの雄大な景観を、湖から観賞する船旅観光もできますよ!楽しみ方満載の、世界遺産開設のきっかけとなったです。ぜひ機会があれば訪れてみてください。

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