ガーデンシティと称される豊かな緑の大地と、まるで英国を彷彿とさせる町並みが特徴のメルボルンにある世界遺産です。ヨーロッパ風の風貌が印象的な王立展示館は、1880年と1888年の博覧会の会場とされたことで有名なんですよ。今回は、オーストラリアの世界遺産「王立展示館とカールトン庭園」をご紹介します。
「王立展示館とカールトン庭園」
オーストラリアの世界遺産「王立展示館とカールトン庭園」は、ヴィクトリア州唯一の世界遺産です。オーストラリア第2の都市ヴィクトリア州メルボルン市の中心に位置しています。王立展示館は、オーストラリアで初めて建てられた西洋建築物です。
白をメインカラーとした、クラシカルな建物が印象的で思わず見いっちゃう風貌です。石やレンガなどを用いた、ビザンチン・ロマネスク、イタリア・ルネッサンスなど、さまざまな西洋の建築様式が混在し、まるでヨーロッパの宮殿観光をしている気分にさせてくれます。
また、壮麗な噴水と緑と花に彩られた風光明媚な庭園は、オーストラリア有数の庭園と称えられています。
王立展示館は、1880年に「メルボルン国際博覧会」の開場として建設されました。1888年にはヨーロッパによる植民地化から100年を記念した「オーストラリア植民地生誕百周年記念国際博覧会」もここで行われています。
1851~1915年にかけて世界中からの産業見本を展示する、50もの国際的な博覧会の開場として使用されており、世界各地の博覧会の展示にも多大なる影響を与えています。また、19世紀の万博展示場の建物が残っていることは珍しく、2004年に世界文化遺産に登録されました。登録基準は文化遺産(ⅱ)です(2010年マイナーな修正)。
アクセス
メルボルン空港から、スカイバスでサザンクロス駅まで約30分。シティ・サークル・トラムに乗り、パーラメント駅へ。駅から徒歩で約5分。
「王立展示館とカールトン庭園」の見どころ
「王立展示館とカールトン庭園」は、首都がキャンベラに決まるまで、シドニーと争い臨時首都の役割を果たしたメルボルンに位置しています。かつて、メルボルンは、ジョン・バットマンの私的な入植を受け、その後イギリスの植民地となった地です。
オーストラリアで1850年にゴールドラッシュが起こり、ヴィクトリア州からも金が発見されます。当時、多くの人々が流入し、一気に繁栄したのです。1901年にイギリスの植民地が纏まって連邦ができ、そのときこの地が臨時首都にされています。
メルボルンの中心に立つこの世界遺産の魅力は、欧風調の建築美と庭園美といえるでしょう。それでは、「王立展示館とカールトン庭園」の見どころをご紹介しましょう。
王立展示館
1880年のメルボルン万博の時に建設された王立展示館は、著名な建築家ジョセフ・リード氏の手によるものです。彼は、シティーのタウンホールやヴィクトリア州立図書館などを設計しています。さまざまな建築様式を複合した建物で、中央にドームがありその立ち姿はエレガントの一言!
広々とした十字のフロアの中心を見上げれば、70m上に美しいドームの天井があります。大広間をはじめ、内部装飾の美しさにはウットリさせられます。愛と平和の象徴とされるヴィーナスや知性を表すマーキュリー、情熱と活動の神マースに援助の神ジュピターの絵も見るべきスポット!柱の上部にある中国人やアボリジニのリレーフなども必見です。
内部見学は、14時からのガイドツアーのみ。メルボルン博物館でツアーの申し込みが必要です。
世界最大級規模の庭園!カールトン庭園
メルボルンには数多くの公園があり、ガーデンシティと称されています。なんと市内の4分の1が公園です!世界最大級の規模といわれる、約26haの庭園は、1839年に造られました。美しい並木道やクラシカルな噴水、季節の花々など、オーストラリアのおおらかさを感じられます。
ここには、オーストラリアの植物アカシアやヨーロッパから持ち込まれたポプラなどが植えられており、野生動物たちも生息しています。市民の憩いの場にもなっています。
近未来型の建物が目を引くメルボルン博物館も見どころです。ヴィクトリア州の植物82種100本を植えて再現された森、先住民アボリジニの文化に触れる施設まで揃っています。世界最大規模の巨大スクリーンを有する、「IMAXシアター」も併設しています。
まとめ
「王立展示館とカールトン庭園」では、この地が育んだ歴史を学びながら、オーストラリアのおおらかな自然に癒され、美しい建築美に陶酔する他にはない贅沢な時間を過ごせます。渡航前に欧豪の建築様式や庭園様式などを、予習すれば知的で有意義な観光を楽しめること請け合いです。
スポンサードリンク