ベネズエラ

「カナイマ国立公園」ベネズエラにある地球最後の秘境!

アウヤン・テプイ

周囲を断崖に縁どられ山上が、長い間、陸の孤島となっていました。いつしか人々は、この地を「最後の秘境」と呼ぶようになりました。この未踏の地は神秘に満ちており、小説『ロスト・ワールド』の著者コナン・ドイルをはじめ多くの人々を魅了してやみません。今回は、ベネズエラにある世界自然遺産「カナイマ国立公園」をご紹介します。

 

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カナイマ国立公園とは?

ベネズエラ南東部、ギアナ高地の中心部にあるのが、今回ご紹介する「カナイマ国立公園」です。山頂が平らなテーブルマウンテンが大小約140もあります。テーブルマウンテンを囲む絶壁は、17億年前の先カンブリア時代の堆積岩層がむき出しになっています。この奇妙な大自然が作られたのは、約2億年前。南米大陸とアフリカ大陸が繋がっていた頃、この付近は湖でした。湖の地底深くにあったマントルが隆起し、水底を押し上げたのです。雨風で柔らかい部分が削り取られ、浸食などを繰り返すうちに現在のような姿となりました。

 

19世紀になるとヨーロッパ人がこの地を探検するようになります。ドイツのショムブルクが、ギアナ高地旅行記を執筆した際、先住民がテプイ(神の家)と呼んでいたカナイマが世界に紹介されることになりました。この切り立った断崖を登ることは、彼にはできませんでした。1884年に初めて人が制覇した山は、イム・サーン率いるイギリスの探検隊で、ロライマ山でした。

 


ロライマ山の奇岩
世界中探しても他に類を見ない不思議な自然景観は、1994年に世界遺産に登録されました。
登録基準は、自然遺産(ⅶ)(ⅷ)(ⅸ)(ⅹ)です。

 

アクセス

ニューヨークから、アラカスへ飛行機で約4時間。カラカスからプエルト・オルダスへ飛行機で約1時間半です。プエルト・オルダスからカナイマへ飛行機で約1時間。ここからは、ツアー参加で訪れることになります。

 

カナイマ国立公園のみどころ


エンジェル・フォール
最大のみどころのひとつは、ペモン族の言葉で「悪魔の山」を指すアウヤン・テプイの標高2560mから落水する、落差979mのエンジェル・フォールでしょう。世界最大級の滝であり、流れる水は地上に着くまでに霧となるので滝壺はほとんどありません。アメリカ人のジミー・エンジェルが飛行機の上から、この滝を発見し彼が自分の名前を取って名付けました。

 

先ほど触れた初めて人が到達したロライマ山は、いつも雲で覆われている標高2810mの最高峰です。ここには数多くの奇岩が林立しており湿地帯となっています。今ではトレッカーも登ることができ、岩盤がむき出しとなっている山頂は、太古そのままの光景を見ることができます。

 

生息する動植物


この「失われた世界」と呼ばれる地では、他に見られない珍しい固有生物が暮らしています。水かきがなく跳ねることも泳ぐこともできない、「オリオフリネラ」という体長2cmほどのとげで覆われたカエルが有名です。他にも原始的な両生類や昆虫などが、特殊な生態系を作りだしており、未だに詳しいことは分かっていません。

ベジャリア

この地は、岩盤が広がり生物がいるなんて考えられないような地形をしています。しかし、カリブ海から湿った空気が流れ込むことで、湿地帯となり苔の上に植物が育っているのです。生息しているのは、「オレクタンテ」や「ベジャリア」、「レドタムヌス」など4,000種もの植物。その7割が固有種です。

 

カリブ海からの風は、雲を作り衛星写真でも、この地がどうなっているかを、確認することは困難といわれています。ドローンの開発が進めば、近いうちに見ることができるかもしれませんね。

 

まとめ

世界最後の秘境と呼ばれるカナイマ国立公園には、未だに人が足を踏み入れたことのない地があるとか。陸の孤島となり、独自の進化を遂げた世界唯一の生物が今も暮らしています。アニメ『カールじいさんの空飛ぶ家』や『アバター』、『ジュラシック・パーク』などの映画にも使われています。

 

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