中世のまま時が止まった？！ベルギーの世界遺産ブリュージュ歴史地区

鐘楼から見たブリュージュの景色

ベルギーの世界遺産ブリュージュ歴史地区は、ベルギー屈指の美しさを誇る水の都です。このブリュージュがあるフランドル地方は、『フランダースの犬』の舞台として知られています。13世紀に建てられた鐘楼から、47の鐘がカリヨンを奏で今も時を告げています。街を縦横に流れる運河の両岸には、中世の商人たちの家ギルドハウスが立ち並び当時の様子を伝えています。

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1 「ブリュージュ歴史地区」とは？
2 アクセス
3 ブリュージュの繁栄と衰退
4 ブリュージュ歴史地区のみどころ
5 人気のアクティビティ運河クルーズ
6 まとめ

「ブリュージュ歴史地区」とは？

マルトク広場のギルドハウス

北海と水路で結ばれたブリュージュは、ボードワン運河とオーステンデ・ヘント運河の合流地点にあり、かつてヨーロッパを代表とする交易の要衝として栄えた街です。冒頭でお話しした「水の都」の他に、「北のヴェネツィア」や「屋根のない美術館」など、美しい街を象徴する異名を誇っています。

実は珍しい世界遺産で、ブリュージュ歴史地区の中には、「フランドル地方のベギン会修道院」と「ベルギーとフランスの鐘楼群」の一部としても、世界遺産に登録されているんです。

『ブリュージュ歴史地区』は、2000年に世界遺産に登録されました。ベルギー語では、「ブルッへ歴史地区」となりますが、日本ではフランス語名の「ブリュージュ歴史地区」とされています。
登録基準は、文化遺産 (ⅱ) (ⅳ)(ⅵ) です。

アクセス

ベルギーの玄関口で首都のブリュッセルにある、中央駅からICで約1時間です。街の中心部となる、マルクト広場まで徒歩で約10分。

ブリュージュの繁栄と衰退

ブリュージュの古い家並み

10世紀にフランドル伯爵の下自治都市権を与えられており、「自由」な貿易をすることができたのが、この街を大きくした理由といわれています。隣国のフランスや神聖ローマ帝国は、この地を侵略しようと、攻め込むだけでなく政略結婚など様々な手を尽くしていたとか。

13世紀には、毛織物業が開花し商人がハンザ同盟に加入。四大在外商館の一つがこのブリュージュに置かれました。レースやダイヤモンド加工なども発展し、13～14世紀には黄金期を迎えます。その後、世界最初の証券取引所（ビュールセ）も開設され、金融の一大都市となりました。

残念なことに15世紀の後半に、スワン川の土砂沈泥により交易が難しくなった上に、16世紀には海上交易権をアントワープに奪われました。繁栄を極めたブルージュは、急激に衰退し「死せる都」と呼ばれたのです。19世紀の産業革命の時も衰退したままでした。これが幸いし、世界遺産に相応しい中世の佇まいを残す貴重な文化遺産となりました。

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ブリュージュ歴史地区のみどころ

ブリュージュはフラマン語でブリュッへといい、「橋」を意味します。運河が街の周囲を取り囲み、切妻屋根のギルドハウスが立ち並ぶ中心のマルトク広場から道が延びているのが特徴です。運河には50以上の橋が架かり、中世の趣をそのままにひっそりと独自の発展を続けた上品な街並みをそぞろ歩きするのもおすすめです。

広場にある街のシンボル鐘楼は、366螺旋階段を上る内部見学ができ、カリヨン（組鐘）の仕組みを見ることもできます。鐘楼から見下ろすブリュージュの景色は絶景です。

聖母教会のマリーの墓

ミケランジェロの「聖母子像」がある聖母教会をはじめ、ブリュージュ最大のイベント聖血の行進で有名な聖血礼拝堂や世界遺産のベギン会修道院など見どころも豊富。街で最も古い建物の市庁舎では後期ゴシックの美しい装飾のフランボワイヤン様式のファサードや壁画や絵画を見ることができます。

芸術を愛し芸術家を庇護したブルージュの観光には、ベルギー7大秘宝の一つ「聖ウルスラの聖遺物箱」があるメムリンク美術館やグルーニング美術館などのミュージアム巡りもぜひ。ギルドハウスにある絵の看板には、魚屋や靴屋、ワイン店やなめし革の店など、字が読めなかった人のために絵で何のお店かを表しており、現在も残っています。ビュールセという人の邸宅は必見です。