韓国

自然と建物の調和が美しい!韓国の世界遺産「昌徳宮」

昌徳宮は、韓国ソウル特別市にある五大王宮の一つです。華美なところはなく、心落ち着く王宮としても魅力があります。緑豊かな自然と調和するように施設が設置されているのも特徴で、散策していると歴代王から愛された王宮としての意味を体感できるはず。

 

スポンサードリンク

 

「昌徳宮」とは?

朝鮮王朝創設者李成桂の五男の芳遠が、1400年に三代王太宗として即位しました。彼が王位を継ぐまで8人の兄弟たちは骨肉の争いをし、彼自身も二人の異母弟を殺し王になりました。1405年に王としての威厳を示すために、景福宮の離宮として建てたのが、「昌徳宮(チャンドックン)」です。

 

豊臣秀吉による朝鮮出兵の文禄・慶長の役(1592~1598年)で、大半が焼失しました。その後、敦化門を筆頭に正殿などが立て直されました。同時期に焼失した「景福宮(キョンボックン)」が再建されるまで、約270年に亘り正宮として使われており、離宮ながら威厳と格式を感じられます。

 

景福宮が再建された後は、再び離宮として使われました。王朝最後の二十七代王純宗が、王位を退いた後は、昌徳宮で暮らしました。ソウルにある五大王宮の中でも保存状態が良く、「昌徳宮」のみ世界遺産に登録されています。広大な敷地内には、13棟の宮殿があり、朝鮮王朝500年の歴史が偲ばれます。

 

『昌徳宮』は、1997年に世界遺産に登録されました。
登録基準は、文化遺産 (ⅱ) (ⅲ) (ⅳ)です。

 

アクセス

地下鉄3号線安国駅の3番出口を出て、徒歩で約5分です。ソウル駅からはタクシーで約15分。

 

昌徳宮のみどころ

自然景観保護のため、ガイド付きツアーのみ見学が許されていましたが、現在は自由に見学できます。

 

・最も古い敦化門(トンファムン)

敦化門は、昌徳宮の正門です。1412年に建てられるも焼失。1608年に再建された木造二層式門としては韓国最古の門です。この門では、王朝初期の建築様式を見ることができます。

 

・ソウル最古の石橋 錦川橋(クムチョンギョ)
絹のように美しい小川に架けられたことで、錦川橋という名が付けられました。建造は1411年で、宮殿に残る最古の石橋です。動物の形をした石像も見物。

 

・公式の執務の場 仁政殿(インジョンジョン)

昌徳宮の正殿で、国宝に指定されています。かつては、王の即位式を始め国家の重要儀式や外国使臣の接見などが行われた場所です。外観は二層になっていますが、内部は吹き抜けの建物で、華麗な装飾を施した天井や中心の玉座は必見です。1803年に焼失するも1804年に再建されました。また、1900年代にシャンデリアが取り付けられており、ガラス窓など内部も西洋風に改造されています。

 

・宣政殿(ソンジョンジョン)
仁政殿の東方にある、王の便殿(ピョンジョン)です。かつては、儒者の試験や宴が行われており、唯一の青瓦葺きの建物としても、貴重な存在となっています。

 

・大造殿(テジョジョン)
王と王妃の生活の場で、正式な寝殿です。国王を龍に例えて造られた「龍棟」の瓦も見物です。1926年に最後の王純宗が、崩御したのがこの王宮でした。かつては、いくつかの付属建物がありました。裏に残る「景薫閣(キョンフンガッ)」では、オンドルの構造を見ることができます。

 

・楽善斎(ナッソンジェ)

1847年に二十四代王憲宗の側室金氏のために建てられた、素朴な木造建築の宮殿です。木窓の装飾が魅力的。日本の皇室から嫁ぎ、大韓帝国最後の皇太子李垠(イウン)の妃となった、李方子(まさこ)女史もここで晩年を過ごしました。王の妾や女官が余生を送った場所で、東の隅にひっそりと佇んでいます。

 

「後苑(フウォン)」のみどころ


後苑は、韓国伝統庭園の真髄とされており、「朝鮮王朝時代の自然美の極致」と称されています。1405年の創建時に庭園として造られました。自然を活かしながら谷間に美しい東屋が建てられており、4つの谷間には芙蓉池や愛蓮池などの人口池も造られています。樹齢750年といわれる天然記念物のイブキも見る価値ありです。

 

ここも文禄・慶長の役で庭亭のほとんどが焼失し、1623年に改修増築され現在の美しい庭園となりました。ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」のロケ地となったことでも知られています。

 

昌徳宮の夜の観光「月灯り紀行」


満月の頃になると、韓国では夜の宮殿を巡る、夜間特別観覧が行われます。韓国の人はもちろん世界中の人からも人気のイベントで、チケットは即売するほどです。ライトアップされ幻想的で息をのむほど美しい、昌徳宮を見学しに出かけてみませんか?

 

まとめ

昌徳宮を散策していると、朝鮮王朝時代にタイムスリップした気分を味わえます。日本語のガイドブックもあるので、建物を始め、歴史や文化を学びながら、ゆっくり散策するのがおすすめです。自然の中に佇む世界遺産を、存分に満喫してください。

 

スポンサードリンク