フランス

フランス一の大河ロワール渓谷!風光明媚な森と川沿いの美しい古城

シュリー・シュル・ロワールからシャロンヌまでに至る約200kmに渡るロワール渓谷上には、国王や貴族たちが競うように建てた美しい古城が点在するメルヘンチックなエリアがあります。現在も、140もの絢爛豪華な城が立ち並んでいます。今回は、フランスの世界遺産「シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」をご紹介します。

 

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「シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷」とは?

パリから日帰り観光が可能なエリアにある、風光明媚な渓谷と趣のある歴史的な古城が点在する人気の観光地です。「雅やかなフランスの庭」と称されるロワールには、アンボワーズ、アンジェ、ブロワ、オルレアン、トゥールなどがあり、優美な古城が点在しています。

 

15~16世紀ごろこの地域には王が住んでおり、宮廷文化が華開きました。フランソワ1世によって着工されたシャンボール城は、フランス・ルネッサンスの象徴的存在です。このお城は、「シャンボールの城と領地」として1981年に登録されており、イタリアを代表する芸術家、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の設計案が使われているとか。王侯貴族たちの宮殿には美しい庭園があり、素晴らしい景観を作り出してしています。フランス・ルネッサンス誕生の地で華やかなフランス旅をしてみてはいかがでしょう。

 

「シャンボールの城と領地」は1981年に世界文化遺産として登録後、2000年に拡張され『シュリー・シュル・ロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷』と改名されています。

 

登録基準は、文化遺産(ⅰ) (ⅱ) (ⅳ)です。

 

この世界遺産は、連続性のある(構成遺産が複数)世界遺産「シリアル・ノミネーション・サイト」の代表的なものとなっています。
日本世界遺産では、「古都奈良の文化財」、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」、「富岡製糸場と絹産業遺産群」、「ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-」など、9の世界遺産が「シリアル・ノミネーション・サイト」に選ばれています。

 

アクセス

パリ・モンパルナス駅からトゥール駅までTGVで約1時間半。
ゆっくり雰囲気を味わう観光なら、トゥール駅を起点にするのがおすすめです。トゥール駅発の古城ツアーを使って巡るのも◎。

 

「ロワール渓谷」のみどころ

2000年に拡張され、130以上の城館が複合体として世界遺産に登録されています。その中でも、ここぞという見どころを選んでみました。特に、シュノンソー城、シャンボール城、アゼー・ル・リドー城の三城は必見です。参考にしてください。

 

シェール川に浮かぶ優美な姿が魅力のシュノンソー城

ロワール川の支流に位置するシュノンソー城は、白鳥をイメージするエレガントなお城です。フランスで最も優美な城と賞賛されており、水面に映る姿が壮麗で、ロワールの古城の中でも人気1、2位を争っています。かつて6代の女城主が続いたため、「6人の女の城」と呼ばれています。

 

連日舞踏会で沸いた、白黒の大理石の床が美しい回廊や、メディッチ家の紋章が彫られたドア。城を囲むように造られたフランス式の庭園も素晴らしいもの。中世貴族の栄華を見ることができます。女帝たちの悲喜こもごもの人生を感じながら観光してはいかがでしょう。

 

フランス・ルネッサンスの傑作シャンボール城

シャンボール城は、ソローニュの森に佇むロワール最大のお城です。先ほど触れました、最初に世界遺産に登録されました。たった20歳でフランス王になったフランソワ1世によって1515年に着工し、1685年にやっと完成しました。500年以上ほとんど変わらない姿で立っています。このお城の特徴は、ダ・ヴィンチの設計案などが混在するイタリアとフランスの古典様式が混在していること。

 

総敷地面積5500万㎡の敷地は、パリが入るほどの大きさです。建物には426の部屋や282の暖炉、77の階段がありどれをとっても見事の一言です。特にランタン塔にある、2重螺旋階段は、すれ違うことなく昇り降りできるように造られています。ダ・ヴィンチの影響を受けているのではと推測されています。また、エマ・ワトソンが主演したディズニー映画「美女と野獣」の舞台になっています。

 

水面に映る気高い城アゼー・ル・リドー城

決して大きくはありませんが小ぢんまりと佇む、おとぎ話の中に出てくるような美しい城です。川の中州に16世紀のフランス・ルネッサンス様式で建てられており、おとぎの国のお城に迷いこんだような独特の美しさが魅力です。19世紀のフランスを代表する小説家のバルザックが、『谷間の百合』の中で「アンドル川にはめ込まれたダイヤモンド」と城の美しさを表現しています。家主が次々と変わったお城で、彼らの残した調度品やタピストリーも見る価値ありです。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチも暮らしたクロ・リュセ城

レオナルド・ダ・ヴィンチが晩年に過ごしたお城です。現在は博物館となっており、天才ダ・ヴィンチの発明品にも触れることができます。ダ・ヴィンチが息を引き取った寝室や客人たちと浮世話を楽しんだ大広間なども再現されています。ダ・ヴィンチワールドも観光してみてはいかがでしょう。また、レオナルド・ダ・ヴィンチのお墓があるアンボワーズ城も、近くにあるので合わせて観光してみては。

 

眠れぬ森の美女のモデルとなったユッセ城

ユッセ城は、深い森の中に佇むお城です。ゴシックやルネサンス様式が混在しており、館内にはシャルル・ペローが『眠れる森の美女』のモデルにしたことも有名で、そのワンシーンを再現した部屋もあります。天才造園家として知られるル・ノートルが作庭した、フランス式庭園をお散歩するのもお忘れなく!

 

約1世紀フランス王の第一城だったブロア城

ロワール川を望む高台に建つ、歴代王によって手掛けられたゴシック、ルネサンス、バロックなど各時代の建築様式が混在する見応えのあるお城です。5世紀ごろには既に城砦があったとされる、ヨーロッパ屈指の名城と賞賛されています。1498年にルイ12世と共に王家となり、アンリ4世がパリに宮廷を移すまでの100年間政治の表舞台のお城として栄華を極めました。

 

八角形の形をしたフランソワ1世の階段は必見です。初期ルネッサンス様式の螺旋状の階段には、ところどころに火トカゲ(フランソワ1世のシンボル)が配されており当時の栄華を感じられます。各時代のフランス王の歴史を感じながら、ゆっくり散策してみてはいかがでしょう。

 

ジャンヌダルクゆかりのシノン城

ジャンヌダルクと廃墟城ファン必見のお城です。ジャンヌダルクがヘンリー2世に謁見したことで有名ですが、現在はすっかり廃墟となっています。謁見した部屋には暖炉が残っており、スクリーンに映し出される謁見の様子はドキュメンタリーを見ているようです。城壁から見える城下町とヴィエンヌ河畔の絶景も見逃せません。

 

まとめ

ブロア駅など主要駅からレンタサイクルで古城巡りをするのもおすすめです。渓谷の素晴らしい景色と美しいお城をフランスの風を切って走れば、思い出も倍増すること間違いなし!

 

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