韓国

400年もソウルを見守った孤立無援の山城!韓国の世界遺産 南漢山城

2017年にイ・ビョンホン主演の韓国映画に登場した、「南漢山城(ナマンサンソン)」。11.7kmに渡って城壁が取り囲んでおり、進むことも退くこともできない籠城用の山城として知られています。400年間も北漢山城(プッカンサンソン)と共に、首都ソウルを守ってきました。今回は、韓国の世界遺産「南漢山城」をご紹介します。

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「南漢山城」とは?


ソウル南東の京畿道(キョンギド)、広州(クァンジュ)市に位置する「南漢山城(ナマンサンソン)」。統一新羅時代からの古い歴史があるといわれており、漢陽の非常時に臨時の首都となるべく役割も持っていました。城の面積は約60万平方メートルあり、海抜500mの山々の稜線を城壁でつないでいます。

 

城壁の内部には、王宮のように東西南北に4つの門があり、トンネルのような16の暗門と5つの出城が備わっています。1950年代には李承晩大統領によって公園化され、1963年には史跡57号に指定されました。1971年には道立公園として整備され、ソウル市民の憩いの場となっています。また、お城の内部には、約200以上もの文化財が散在しています。破損と修復を繰り返して現存するものの、400年もの長い歴史を今に伝える遺産として世界遺産に登録されました。

 

『南漢山城』は、2014年に世界文化遺産として登録されています。
登録基準は、文化遺産(ⅱ) (ⅳ)です。

 

アクセス

ソウル中心部の市庁駅から地下鉄8号線で山城駅まで約50分。駅の2番出口を出てすぐのバス停からバスにのり、山城ロータリーまで約20分。

「南漢山城」の歴史


古くから国防の要となっていました。文禄・慶長の役の後、第16代仁祖(インジョ)の時代から本格的な修復工事が行われています。1626年に完成しましたが、当時は弓矢と刀で戦う時代で、鉄砲はもちろん大砲に耐えられる構造にはなっていませんでした。

 

やっと出来上がった山城でしたが、完成から10年後の1636年には清との戦争の主戦場となっており、激戦が繰り広げられました。西洋の技術を取り入れていた清との実力の差は歴然で、朝鮮軍は47日間の籠城戦の末、残念ながら降伏しました。仁祖は、漢江三田渡のホンタイジの前で、三跪九叩頭の礼(さんききゅうこうとうのれい)を行うという屈辱の懺悔の儀式を強いられています。

 

その後、南漢山城では、防御力を強化する改築が行われ、火砲攻撃に耐えうる城と生まれ変わっています。この時には、一部で日本の建築も取り入れられているようです。先ほども触れましたが、破壊と再生が繰り返されており、現在も修復作業が行われています。

 

「南漢山城」のみどころ


南漢山城には、5つのハイキングコースが用意されています。ビギナー向けから城のみどころ全てを回る3時間半コースまで、色々あるのでご自分の体力や見たいスポットに合わせたコースを選び、歩いてみてはいかがでしょう。石畳や山道があるので歩きやすい服装と靴で訪れてください。

 

最も標高の高い「守禦将台(スオジャンデ)周辺」


ソウルを一望できる映えポイントです。周辺の歴史を観光しながら守禦将台までの城壁沿いを歩くと、ソウルっ子おすすめの絶景が待っています。この守禦将台は、城内の指揮と偵察のために作られました。かつて5つあり、現在は1つを残すのみ。1751年に建てられた、2層になった珍しい楼閣も必見です。

 

東西南北の4つの門


それぞれに形や趣が違う門も、できれば全て見て比べたいもの。使用頻度が一番多かった東門(左翼門)や先ほど少し触れた第16代仁祖が真の攻撃で負けたときに通った西門(右翼門)、石を積み上げて作られた壮観な北門(戦勝門)。4大門中、唯一懸板が残っている南門(至和門)は、隣の老木も有名です。

 

長い城壁の先にある「甕城(オンソン)」


敵を引き付ける役割と侵入を防ぐ役目を果たしていました。城に入るためにはこの甕城を通らなければならないという重要な場所です。城壁から外部に突出しており、攻撃しやすい造りになっているのも見物です。韓国らしく屋根瓦を乗せ、ところどころに攻撃のための穴が開けられた城壁も、見る価値ありです。

 

かつて王たちが泊まった宿「南漢山城行宮(ヘングン)」

朝鮮王朝時代の行宮跡です。現在残っている行宮の中で、唯一宗社を持っているのが特徴です。かつて王が、ソウルの王宮から出掛けたときに生活をした臨時の宮殿です。臨時とはいえ王が暮らした宮殿としては、華美ではなく落ち着いた雰囲気です。韓国らしく屋根にのった動物の装飾もお見逃しなく。

 

まとめ

ソウルを見守るように立つ南漢山城。京畿道やソウルの風景を眺めるのもおすすめです。山頂にはベンチも備わっており小休憩にもおすすめです。また、日本の統治時代に作られた京畿道やソウルで唯一の松林があり、ゆっくりヒーリングを楽しむのも◎。城内には食事をするお店があり、周辺にはオシャレなカフェもあるので、お気に入りのお店探しも楽しいかも。今度のお休みには、ぜひ、訪れてみてくださいね!

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