16世紀初頭に標高約2000mの谷合に作られたスペインの植民都市で銀が発見されました。銀により栄えコロニアルの美しい街並みを産んだ繁栄ぶりを今に伝えています。今回は、メキシコの世界遺産「グアナフアト歴史地区とその銀鉱群」をご紹介します。
もくじ
「グアナフアト歴史地区とその銀鉱群」とは
グアナフアトは、メキシコシティから北西方370 kmのメキシコ中央高原に位置するコロニアル都市です。18世紀には、バロック様式や新古典様式の美しいコロニアルの建築物が建てられました。そのスペイン統治時代の名残を今に残す町並みは、メキシコ一美しい町のひとつと賞賛されています。
1548年に道路建設工事で来ていたスペイン人によって、偶然に銀鉱脈が発見されました。かつて岩山に囲まれた不毛の地だったこの地に、一攫千金を夢見た人々がスペインから押し寄せました。銀の採掘は約400年間にも及び、18世紀の最盛期には世界の銀の産出量の3分の1を占めていたようです。現在も銀鉱山ブームが作りだしたコロニアルの街並みは、中世ヨーロッパの雰囲気を醸し出しています。
グアナフアト州は、1810年9月16日に始まったメキシコ独立戦争で、歴史の表舞台に立たされました。メキシコ独立戦争の指導者ミゲル・イダルゴが、「メキシコ人たち、メキシコ万歳!」と演説の最後を締めくくり戦争の口火を切ったのです。
『グアナフアト歴史地区とその銀鉱群』は、1988年に世界文化遺産として登録されています。
登録基準は、文化遺産(ⅰ) (ⅱ) (ⅳ) (ⅵ)です。
アクセス
グアナフアト国際空港からバスでおよそ40分。
または、メキシコシティからバスで約5時間。
「グアナフアト歴史地区とその銀鉱群」のみどころ
銀鉱山がもたらしたメキシコ一美しい町並みは、一生に一度は見たいフォトジェニックスポットです。豪華な教会やオペラ劇場、色彩色豊かな家が立ち並び、おとぎの国に迷いこんだような風景はSNS映え間違いなしです。
メキシコ建築に大きな影響を与えた美しい街並み散策は、昼間はもちろん趣ある路地がガス灯に照らされる夜の幻想的な雰囲気も素晴らしいものです。細い路地が入り組んでいるので、迷子にならないように注意してくださいね。目抜き通りのフアレス通りやイダルゴ市場、ラパス広場、ラウニオン公園を目印に行動しましょう。
グアナフアト聖母大聖堂
グアナフアトのシンボル的な存在の黄色壁と赤いドームが目を引く大聖堂です。17世紀に建てられたバロック様式の教会で、美しい内装も魅力的。スペインの王フェリペ2世が寄進した聖母マリア像は必見です。目の前のラパス広場には、おしゃれなレストランもあり、ランチをしながら大聖堂を眺めるのも一興です。
グアナフアトには、20もの豪華な教会群があり、中でも「ウルトラ・バロック」と呼ばれるファサードの装飾が素晴らしい「コンパニーア聖堂」にも訪れる価値ありです。聖堂前の通りには、パペル・ピカドという切り絵が旗のように飾られています。花や鳥などの色々な絵柄があり、散策しながら通りを歩くだけでも楽しいですよ。
バレンシアーナ聖堂
グアナフアトの中心部から北約3kmに位置する、バレンシアーナ。ここは小さな集落ですが、かつて多くの銀を産出しています。現在も銀が採れるので坑道も動いています。
この町の中心部には、中南米で最も美しいバロック建築のひとつ「バレンシアーナ聖堂」があります。内部には金箔で覆われた祭壇と、巨大な宗教画が飾られています。また、教会の裏には、ツアー見学できるボカミナ銀鉱山の坑道があります。
地下道路網
地下600mにあるもともとの銀山坑道を利用した、地下道もこの町の見るべきスポットです。街の下には車が通るための地下道が走っています。昔の銀山の坑道を地下幹線道路に整備したもので、現在では地上にある車の往来が少ない古き良き時代の小さな路地の趣を守ることでも、大切な役割を果たしています。
ピピラの丘
ピピラの丘の展望台は、グアナフアト随一の絶景スポットです。歴史地区を一望する最高のビューポイントとなっています。「色彩の町」と称されるカラフルに輝く昼の景色も、ガス灯の灯りの中に浮かび上がる夜景も、中世を彷彿とさせています。特に夕暮れ時の夕日に輝く山間の街並みは、言葉を失うほどの美しさです。
丘の名前となっている、独立戦争のヒーロー「若きインディヘナの坑夫ピピラ」の巨大像も必見。展望台までは、フアレス劇場の裏側から5分おきに運行されるケーブルカーで訪れるのがおすすめです。
まとめ
週末の夜になると、どこからともなく「セレナータ」が聞こえてきます。中世スペインの学生服を着て歩く、「エストゥディアンディーナ」の歌声を聴きながらロマンティックな夜のひと時を過ごすのもステキなグアナフアトの過ごし方です。
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