オーストラリア

自然と文化の融合!オーストラリア初の世界遺産カカドゥ国立公園

オーストラリア北部に位置する同国最大の国立公園です。太古からのさまざまな自然景観が息づく楽園で、4万年以上前から先住民アボリジニの居住地だったとされ、その文化にも触れる贅沢な観光を楽しめます。知的探索はもちろん、リバークルーズや野生動物たちとの出会いなど、アクティビティも盛りだくさんです。今回は、オーストラリアの世界遺産「カカドゥ国立公園」をご紹介します。

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「カカドゥ国立公園」とは?

「カカドゥ国立公園」は、「Top End」と呼ばれるオーストリア北部のメインタウンであるダーウィンから東へ約250kmに位置しています。総面積は日本の四国と同じくらいで、約2万平方キロメートルもあり、3本の大河が流れています。

園内北部は広大な湿地帯と果てしなく続く緑の草原が熱帯的な雰囲気を醸しており、南部には特徴的な渓谷と奇岩の大地が広がる、2つの地域に大別されています。北はマングローブが繁茂するバン・ディメン湾から南のキャサリン峡谷付近までに及び、赤い砂岩質の深い渓谷や乾燥したサバンナなど多岐に及ぶ地形の連続でフォトジェニックスポットも豊富です。

イリエワニなど約50種の哺乳類をはじめ、セイタカコウなどの鳥類や昆虫など、多様性に富んだ動物が生息しています。一帯の植物相には、9種類の固有種と46種類の絶滅危惧種があり、他では見られない植物と出会えること間違いなしです。

先住民アボリジニが岩に描いた3000以上の壁画や人類最古の石器とされる斧なども出土しています。近年まで描かれていた壁画の中には、保存状態が良いものもあり、訪れる人々の目を惹きつけています。

『カカドゥ国立公園』は、1981年に世界文化及び自然の複合遺産として登録され、1987年と1992年に拡張しています。

登録基準は、文化遺産(ⅰ) (ⅵ) 、自然遺産(ⅶ) (ⅸ) (ⅹ) です。

アクセス

シドニーなどのハブ空港からダーウィン空港へ。ここからは、車で約3時間。バスでは約4時間です。空港からツアーがでており、そちらを使うのが一般的。2日のツアーと日帰りのツアーがありますが、ともに英語のツアーとなります。

カカドゥ国立公園の観光は体力勝負です。水や日焼け止めはもちろん、履き慣れた靴と動きやすい服装で訪れましょう(赤土が服に付着し変色するので、白い服は厳禁です)。
園内には、キャンプ場もあるので、アウトドア派の方はぜひ。でも、ワニには要注意です。

ベストシーズンは、4~11月。雨季の12~3月は、水没し沼地になる氾濫原があり、道路事情が悪くおすすめできません。ただ、ヘリなどで空から見る滝は圧巻ですよ!できれば、季節の変わり目が、気候もよくおすすめです。

「カカドゥ国立公園」のみどころ

広大なオーストラリアの自然を満喫できる、「カカドゥ国立公園」のみどころはたくさんあります。できれば、宿泊してのツアーを選ぶ方が得策です。古代からの大地の息吹を、体で感じながら楽しもう!

ウビア・ロック

ウビアには、約1kmの簡易的なトレッキングコースがあります。先住民アボリジニのアートには、ここに眠る伝説が描かれ有名です。また、標高250mのナダブ展望台へ夕日のころに訪れれば、言葉を失うほどの絶景と出会えます。遮るもののない360度のパノラマを眺めながら、心穏やかなひとときに癒されてはいかがでしょう。運がよければワラビーやバッファローの群れに出会えるかも。

ジムジムフォールズ&ツインフォールズ

落差150m以上の滝。そそり立つ絶壁から轟音と共に流れ落ちる滝の迫力はたまりません。また、白砂の美しい滝壺では、泳ぐことができます。4WDのみアクセスが可能で、雨季の観光はNGです。
定期ボートに乗って行く、2筋の滝が水飛沫を上げ流れ落ちるツインフォールズもぜひ。渓谷までボートに乗って行くのがベストかも。また、シーニック・フライトで、上空からパワフルな滝を望むのも◎。

アーネムランド

園内には現在も約300人のアボリジニが住んでおり、独自の生活を続けています。アーネムランドは公園の東に位置するアボリジニの居住区で、政府が借り受ける形で公園運営が成り立っているとか。ここでは、古代から受け継がれる彼らの生活風景に触れることができます。許可が必要なので、ツアーなどで訪れることをおすすめします。

アクティビティで観光したい重要ポイント!

滝や睡蓮の花が咲き誇る湿地帯などを、クルーズで巡るのがおすすめです。園内をのそのそと歩くワニなど、ここに生息する動物たちとの出会いが待っています。クルーズの他には、トレッキングやフィッシング、ヘリでの遊覧や4WDで爽快に地上を駆け巡るのもおすすめです。

イェローウォーター・クルーズ

美しい公園内をボートで巡るアクティビティ。サンセット又はサンライズクルーズは外せません。湿地帯を夕日が黄金色に染める美しい景観は見る価値ありです。

サンライズでは、季節によっては、朝もやの中に蓮の花が咲き乱れる神秘的な景色を体験できます。

1600種もの植物や280種にも及ぶ鳥類のさえずりを聞き、ウォーターリリーの中に潜むクロコダイルはもちろん、野生のワラビーや馬、バッファローや水牛なども見られるとか。映画『クロコダイル・ダンディ』に登場した、全長7mものイリエワニを見ることもできますよ!大人気なので予約はお早目に。

ロックアート観賞

先住民アボリジニたちが残したロックアートには、生活や神話、動物などが独特の色使いで描かれています。聖地だったとの意見もあり、考古学的にも非常に貴重なものとされ複合遺産になったのです。

ノーランジー・ロックでは、2万年以上も前に描かれた世界最古とされる壁画や住居も見ることができます。ナマルゴン(ライトニング・マン)の壁画で有名なヌーランジー・ロックや、カンガルーや淡水魚などX線画法で描かれたウビル・ロックと見比べてみてはいかがでしょう。ここから、10分ほど先の岩山上にあるグンワーデーワーデー展望台からの雄大な景色も必見です。

まとめ

日豪でのウラン資源開発により、1998年に危機遺産に登録されそうになりました。現在掘削は中断されたものの、緩衝地帯では続いていることから懸念の声も聴かれ、現在もユネスコの世界遺産センターが厳しく監視しています。自然的にも文化的にも素晴らしい世界遺産を、大切に守ってほしいものですね。

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