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まるで童話の世界!日本の世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」

白川郷城山展望台からの風景

「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、かわいらしい合掌造りの伝統家屋が今も残る日本の世界遺産です。特に、積もった真っ白な雪とライトアップされた合掌造りの家々の絶景は、人々の心を癒してくれます。アジアを始め海外の方も、「まるで童話の世界!」と称賛されています。

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白川郷・五箇山の合掌造り集落とは?

岐阜県と富山県にまたがる飛騨高地の、山間を流れる庄川沿いに2県にまたがり、この地方独特の伝統家屋が残されています。3~5階建で面積が広い合掌造りは、日本家屋より規模が大きいのが特徴です。両手を合わせて合掌しているような姿から、合掌造りと名付けられたとか。高度成長期には300棟あった家屋は、1945年より減り始め半減してしまいました。ここには、現在も人々が暮らしており、極寒の地で培われた、伝統や文化を伝える上でも非常に貴重なものです。


釘を使っていない屋根裏の様子
45~60度の急こう配の切妻屋根は、豪雪地帯ならではの生活の知恵が詰まっています。釘は1本も使わず、太い柱と大小の丸太材を縄で固定しており、このお陰で重い雪にも耐えられる、しなやかの建物となっています。茅葺屋根には、強風を受け流し、雪が滑り落ちやすい上に、水はけをよくする効果があります。また、1階にある囲炉裏の暖気は家を暖め、立ち上る煙は防虫や腐食にも効果があるとか。

合掌造りの家には、20~30人の大家族が暮らしており、養蚕や和紙すき、火薬の原料とされる塩硝(えんしょう)などを生産し暮らしていました。これらの家内工業は、かつてこの地域の代表的な産業でした。江戸時代から続く「組」と呼ばれる互助組織があり、30~40年に一度の大屋根の吹き替えはこの「組」の互助作業「結(ゆい)」によって現在も行われています。一棟の吹き替え工事には、200~500人。費用は2,000万~3,000万円もかかるとか。

『白川郷・五箇山の合掌造り集落』として、1995年に世界遺産に登録されています。大規模の荻町集落と中規模の相倉集落、小規模の菅沼集落が対象です。
登録基準は、文化遺産 (ⅳ) (ⅴ)です。

 

アクセス

白川郷
JR高山本線高山駅から、バスで約1時間40分。

五箇山
相倉集落
JR高岡駅前から世界遺産バスで1時間、五箇山相倉口下車。
菅沼集落
JR高岡駅前から世界遺産バスで1時間15分、菅沼下車。

 

白川郷のみどころ

岐阜県大野郡白川村にある、荻町集落が世界遺産に指定されています。メディアにも取り上げられる大きな集落で、マンガやアニメの舞台になっており、国内外から年間140万人が訪れる人気の観光地となっています。周りにも合掌造りの集落がありましたが、ダムの建設や村を捨てて大阪などにでた者もあり、周辺の集落の数は激減しました。現在は、築300年の建物を始め、約59(明善寺庫裏の様式を含むと約60棟)の合掌造りが残っています。


和田家
国の重要文化財になっている「和田家」や250年前に造られた五層建ての名家「長瀬家」など、内部見学ができる民家もあります。完成度が高く風格ある合掌造りの「神田家」では、囲炉裏で沸かしたお湯で淹れたお茶も振る舞ってくれます。また、「どぶろく祭り」を臨場感たっぷりに再現した「どぶろく祭りの館」も、見る価値ありです。

和田家2階
荻町城跡展望台からは、眼下に広がるキュートな集落の眺望を楽しめる格好のインスタスポット。また、橋を渡ったところにある、野外博物館 合掌造り民家園は、周辺の集落から集められた合掌造りの家屋が展示され、当時の暮らしぶりが再現されています。

 

五箇山のみどころ

源平合戦で敗れた平家の落ち武者が住みついたといわれる、旧平・上平両村を中心とした五箇山。白川郷と比べて規模が小さいものの、観光地化されていないのが魅力。合掌造りの特徴ともいえる鋭利な角度は、水分が多い雪質のため五箇山の方が急なんだそうです。五箇山名物の固いお豆腐を、いただくのもお忘れなく。

・相倉集落

ここには23棟の家屋や寺社、土蔵など、27戸の合掌造りの家が残っています。合掌造りの集落はもちろん、萱場や山林を含めた地域があり、文化的景観を形成しています。和紙すきの体験をしてみるのもおすすめです。
冬の白い雪に埋もれた家屋と青空のコラボは、日本の原風景ともいえる絶景が楽しめます。幻想的なライトアップも見る価値ありです。

・菅沼集落

谷間のわずかな河岸段丘にある、3つの集落の中でも一番小規模です。ここには9軒合掌造りが残っています。富山の雄大な自然と共存する合掌造りをゆっくり見学するのにおすすめです。世界遺産を独り占めするような、スローな観光を楽しめますよ。
また、江戸時代に栄えた主産業を体感できる、「塩硝の館」や「五箇山民俗館」も訪れる価値あり。

 

まとめ

白川郷と五箇山の合掌造りは、それぞれに入り口や間取りや庇などに違いがあります。両方を訪れて、比べてみるのもおすすめです。

 

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