スペイン

スペインの天才建築家ガウディの奇抜なセンスで生まれた世界遺産「アントニオ・ガウディの作品群」

「未完成の大聖堂」と呼ばれるサグラダ・ファミリアやグエル公園、カサ・ミラなど、ガウディの独創的な芸術が、スペインバルセロナの至る所で見ることができます。今回は、スペインの世界遺産「アントニオ・ガウディの作品群」をご紹介します。

 

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アントニオ・ガウディの作品群とは

カタルーニャ地方で19世紀末~20世紀初頭ごろに起こった「芸術復興運動(モデルニスモ芸術)」の、中心的存在だったアントニオ・ガウディ。彼の作品は、モデルニスモ建築で彩られたバルセロナ観光には外せないスポットです。

 

バルセロナを中心に、当時一世を風靡したモデルニスモ芸術は、ブルジョアによって支えられて発展したもの。当時のバルセロナにおける、経済発展の凄さも感じさせてくれるはず。
ガウディの死後、約1世紀!今も色あせない作品たちは、芸術派はもちろんトラベラーを魅了しています。

 

『アントニオ・ガウディの作品群』は、1984年に世界遺産に登録されました。
2005年には、バルセロナ近郊にあるコロニア・グエル教会が加わり、拡張されました。
登録基準は、文化遺産(ⅰ) (ⅱ)(ⅳ)です。

 

アクセス

スペインバルセロナに行くには、第三国を経由します。フィンランドのヘルシンキまでは、約10時間半。バルセロナまで約4時間です。サグラダ・ファミリアへは、地下鉄2号線または5号線でサグラダ・ファミリア駅下車すぐ。

 

アントニオ・ガウディってどんな人?

カタルーニャ南部のレウスで生まれたガウディ。16歳の時に建築を学ぶためにバルセロナへ行くも、才能が認められず3年も留年し26歳で卒業。校長は天才ガウディのことを、「彼が狂人なのか天才なのかはわからない、時が明らかにするだろう」と語ったとか。経済的な理由で、設計事務所で働きながらの学校通いでした。

 

好転したのは、卒業してすぐのこと。パリ万博に出展した作品が、実業家のエウセビオ・グエル氏に認められました。その後、40年間も支援を受け、建築家として多くの作品を誕生させています。

 

世界遺産に7つの作品の魅力

2026年に完成する?サグラダ・ファミリア教会の生誕のファサードと地下聖堂

彼は晩年、熱心なカトリック教徒でした。1883年にビリャールが辞任した時に、サグラダ・ファミリアの専任建築家として推薦されました。世界遺産に登録されているのは、ガウディが完成させた、誕生のファサードと107mの3本の尖塔や地下聖堂などです。

 

誕生のファサード

誕生のファサードはガウディ自らが指揮を執りました。ハープなどの楽器を持った「奏楽の天使たち」や「ラッパを吹く天使」、「羊飼いの礼拝」は必見!キリストが聖母マリアに冠を授ける姿を彫った「マリアの戴冠」も繊細で魅力的です。一部の彫刻は日本人の外尾悦郎氏が担当。
生誕のファザードと受難のファザードには展望台が設置されており、バルセロナを一望できます。

 

聖堂内部にはガウディが、「神と信者が一体となれる森を作りたい」と設計した場所があります。天井には殉教のシンボル「シュロの葉」をイメージした装飾がされています。2010年には、ローマ法王が訪れ、正式にカトリックの教会と認定しました。

 

完成模型

ガウディ没後100年を迎える2026年にサグラダ・ファミリアは完成するといわれています。未完成の大聖堂と呼ばれるサグラダ・ファミリアの完成は待ち遠しいですね。

 

カラフルなおとぎの国!グエル公園

まるで、テーマパークのようなユニークな公園。バルセロナを一望できる山の手に未来都市型の住宅地を造成するも、60戸の内売れたのは2つのみ。計画は大失敗でした。その後、公園として一般にも開放されています。

 

ガウディも父親のために一戸購入しており、本人もサグラダ・ファミリアに引っ越すまで暮らしました。現在はミュージアムになっています。公園としてカラフルな芸術を見る他、住みよい環境を意識した未来型住宅としても見る価値ありです。中央階段のトカゲのようなドラゴンは、インスタ映えのフォトスポットです。

 

パトロングエルが愛した邸宅!グエル邸

アールヌーボーのような鍛鉄製の柵が魅力的な、パトロングエル氏の邸宅。ガウディの初期の最高傑作としても有名です。地下にある巨大な柱や地下厩舎があり、1階の馬車庫では蹄の音が響かないように配慮されているのにも注目。

 

大理石の柱が並ぶ正面玄関も見逃せません。吹き抜けとなっている中央サロンは、天井から自然光が降り注ぐ開放感に満ちた空間となっています。

 

曲線を強調した芸術的建築物カサ・ミラ

地中海の雪山をイメージして作られた、ガウディらしいコンテンポラリーなアパート。
屋上は、芸術派の方には、とってもステキな空間。砕いた陶器の破片で覆われたカブトの形をした煙突には、ちょっとした仕掛けが施されており、“まるでダリが作ったのでは?”と勘違いするようなユニークなもの。バラの蕾をイメージした巨大なオブジェや各部屋に自然光を届けるために作られた円形の中庭も必見です。
他にも、玄関ホールの階段や公開されている部屋も見る価値あり♪

 

イスラム建築のような風貌?カサ・ビセンス

ガウディが最初に手掛けた、大規模住宅です。アラブチックな外観が印象的。この地区に咲く「インディアン・マリーゴールド」の花が描かれたタイルの装飾も必見です。ガウディの特徴といえる曲線はなく、直線の美しさを表現している所も見物です。

 

ここは海底洞窟?繊細と斬新が融合したカラフルなアパート!カサ・バトリョ

「あくびの家」とか「骨の家」との別名もある、奇妙?と不気味?の中間のような変な家。1877年の完成後に、この家の持ち主バトリョ氏が、NGを出し建て直しを要求したとか。

 

ガウディの必死の説得により、1904~1906年の2年かけてリフォームしたという逸話が残っています。廃棄物のガラスや陶器の破片を巧みに使い、斬新かつ繊細なデザインを作り出しています。奇才といわれるガウディらしい作品だと思いませんか?

 

内部は海の中にいるようです。建物すべての扉には、開閉式の通気口を設置するなど、時代を先取りした構造になっています。

 

コロニア・グエル教会地下聖堂(バルセロナ近郊のサンタ・クローマ・ダ・サルバリョー)

松林に囲まれた教会。「コロニア・グエル」とは、パトロングエル氏が経営する繊維工場を、当時の社会紛争から守るためにバルセロナから移設したコミュニティです。
繊維工場の従業員として建てられたコミュニティ内にある教会は、ガウディがサグラダ・ファミリアで忙しくなり中断しています。教会の他に、学校や医療機関、劇場なども作られる予定でした。

 

ここはガウディの最高傑作との声も上がっています。10年もかけて「逆さ吊り構造実験」を行っていたため、工事が進まなかったとか。地下聖堂として使われている場所は、唯一完成した場所で講堂として作られたものです。

 

まとめ

バルセロナに行ったら、モデルニスモ建築においてガウディのライバルだった、モンタネールやカダファルクなどの建築物を巡るのもおすすめです。世界遺産に登録されているバルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院をはじめ、ガウディも気に留めていたカサ・アマトリェーやカサ・リェオ・モレラなど共に巡ってみてはいかがでしょう。

 

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